突然の定位置剥奪「予想スタメン全部、俺が外れてる」 危機を救った“鬼軍曹”の帰還

初の一塁挑戦も前向き「0点の状態から1点を積みかねていけば良い」

「下手なのは分かっているから練習したらいい。0点の状態から1点を積みかねていけば良い。でも、人の送球を受けるのがこんなに難しいものとは思わなかった。一塁は簡単と思っている人もいるけど、そうじゃない。全部のプレーに絡んでいるのが一塁手。牽制や送球が観客と被るし『頼むから黒のTシャツを着てくれ』と毎日思っていた」

 努力の甲斐もあり「6番・一塁」で開幕スタメンを手にすると、7月からは再び定位置だった1番に定着した。同年は出場139試合中、一塁手として98試合に出場。打撃でもキャリアハイとなる打率.317、出塁率.406と移籍後、最高のシーズンを送ることになった。

 シーズンオフには34歳にして年俸1億4000万円をベースとした3年契約を結ぶ。「辞めてから改めて思いますが、こんな下手くそをよく使ってくれた。宮本さんの誘いがなかったら今の自分はなかった」。ピンチをチャンスに変えた「一塁挑戦」が、プロ野球人生を伸ばしたのだった。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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