無双守護神の流出で混沌…試されるロッテ吉井新監督の手腕、“覚醒待ったなし”の2人

ソフトバンクに移籍したロベルト・オスナ(中央)の穴を埋めるのは…?【写真:荒川祐史】
ソフトバンクに移籍したロベルト・オスナ(中央)の穴を埋めるのは…?【写真:荒川祐史】

1年目の今季…廣畑敦也は30試合、八木彬は20試合に登板した

 昨季はチーム51年ぶりとなる優勝マジックが点灯するも、優勝を逃したロッテ。「頂点を、つかむ。」のチームスローガンを掲げて臨んだ今季はスタートダッシュに失敗、一時は盛り返したが、最終的には3年ぶりBクラスとなる5位に終わった。今回は救援投手の2022年シーズンを振り返る。

 昨季は自慢の必勝リレーを筆頭に、盤石の中継ぎ陣を形成したが、今季は一角を担っていた佐々木千隼、唐川侑己、国吉佑樹が開幕に出遅れる状況に。そんな中、大車輪の働きを見せたのがチーム最多の59試合に登板した東條大樹だ。昨季は5登板も、今季は2年ぶりに開幕1軍入り。特徴的なサイドスローから繰り出されるスライダーを武器に活躍し、5月は12登板で防御率0.00、8ホールドの成績を残した。新型コロナウイルス感染で出場ならずも、初めてオールスターにも監督推薦で選出された。終わって見れば、リーグ3位タイの34ホールドポイントを挙げた。

 西野勇士は3年ぶりに1軍のマウンドへ。直近2年はトミー・ジョン手術の影響で登板なしも今季は開幕1軍入り。37登板でキャリアハイの15ホールド、防御率1.73をマークした。来季はかねてより希望していた先発での起用が見込まれている。今季の復活を機に、新たな持ち場で輝きを放てるか。

 小野郁の働きも目立った。7月末までに40試合に登板するフル回転ぶり。新型コロナウイルス感染で出場辞退となった東條に代わってオールスターにも出場。地元・福岡での初戦では3者連続三振、2戦目には勝利投手の活躍で名をあげた。シーズンは44登板で18ホールド、防御率1.99とキャリアハイの成績をマークした。

 長年抑えを任されてきた益田直也はシーズンを通して不振。一時は持ち直すも、8月には自身の希望で再調整のためにファームへ。9月の1軍復帰後も抑えの座に返り咲くことはなく、最終的に52登板も、最多セーブに輝いた昨季から一転して配置転換も味わう悔しいシーズンとなった。来季は本調子で迎え、守護神奪回のシーズンとしたいところだ。

 29試合で防御率0.91の成績を残したロベルト・オスナがソフトバンクに移籍するなど、救援の整備は急務。そんな中で期待されるのは、廣畑敦也、八木彬の社会人からプロ入りしたルーキーだ。開幕1軍スタートの廣畑は30試合、八木も5月からの昇格で22試合に登板し、経験を積んだ。吉井理人新監督が、どのように救援陣を運用していくのか注目される。

(「パ・リーグインサイト」和田信)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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