“弱点”の補強でNPB最年長左腕も危機 先発再編で余波…ヤクルト正念場の選手たち

ヤクルト・奥川恭伸(左)と石川雅規【写真:荒川祐史】
ヤクルト・奥川恭伸(左)と石川雅規【写真:荒川祐史】

外国人投手が3人加入、先発では奥川恭伸の復活や山下輝の台頭に期待

 ヤクルトは2022年、球団史上2度目のリーグ2連覇を成し遂げた。主力野手はほぼ固定化され充実期を迎えているが、投手陣には課題が残されている。今季のチーム防御率3.52はリーグ4位で総失点は同5位の566だった。

 さらに、守護神のスコット・マクガフが米球界に復帰。そんな背景もあってか、ここまでの今オフの補強(支配下のみ。新人を除く)は投手が5人(うち外国人3人)、野手が1人と、投手に力点が置かれている。これによりあおりを受ける選手も出てきそうだ。

 マクガフに代わる守護神候補としてチームに加わるのはキオーニ・ケラ。メジャー通算243登板は全てリリーフで23勝28セーブ、59ホールドをマークしている。ケラが評判通りの投球をみせれば、守護神返り咲きを目指しているとされる石山泰稚や、新たに抑えを目指す清水昇らは変わらず中継ぎを任される可能性が高い。

 また、現役ドラフトでロッテから成田翔を獲得。横手投げの変則左腕は中継ぎの一角として期待される。今季左腕では田口麗斗が45試合、久保拓眞が29試合に登板したが、“中継ぎ左腕”のカテゴリーも競争が激しくなりそうだ。

 先発を期待される外国人は左腕デイロン・ピーターズと右腕ライネル・エスピナルが加わった。今季9勝を挙げ来日3年目を迎えるサイスニードを加えた争いは激しくなりそうだ。外国人枠の関係もあるが、この3人のうち2人がローテーションに入った場合は先発陣でもあおりを受ける選手が出てきそうだ。

 今季チーム最多25先発の小川泰弘、今秋に侍ジャパンに選出された高橋奎二の他、今季1登板に終わった奥川恭伸、終盤に台頭した山下輝らが台頭すれば、これでローテ6枚が埋まる。高梨裕稔や原樹理、来季は12球団最年長の43歳シーズンを迎える石川雅規らに影響が及ぶ可能性がある。先発防御率3.84はリーグワーストだったが、裏を返せばここが整備されればリーグ3連覇へ盤石の体制が整うことになる。高津監督がどう運用していくか、注目される。

【予想スタメン】“盤石”メンバーの牙城を崩すのは? ヤクルトのラインナップ

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