主砲2人の「ライバル意識が凄くプラス」 WBC優勝を経験、篠塚和典氏が組む“侍打線”

巨人・岡本和真(左)とヤクルト・村上宗隆【写真:荒川祐史】
巨人・岡本和真(左)とヤクルト・村上宗隆【写真:荒川祐史】

2022年は村上の後塵拝した岡本に期待…「自信を取り戻す活躍を」

 3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)第5回大会へ向け、最終メンバー未発表の侍ジャパンだが、現時点で識者はどんな“ベスト・スタメン”を思い描いているのだろうか。巨人OBで、現役時代は“安打製造機”として首位打者2度、通算打率.304を誇る篠塚和典氏に聞いた。篠塚氏は現役引退後の2009年のWBC第2回大会では、日本代表の打撃コーチとして優勝に貢献した。

 篠塚氏は、ヤクルト・村上宗隆と巨人・岡本和真が“両雄並び立つ”ことによって、侍ジャパンに勢いをもたらすと見ている。「ライバル同士が一緒に戦うことによって、気合が入るだろうし、チームにとって凄くプラスだと思う」。村上と岡本は、2021年にはともに39発で本塁打王のタイトルを分け合い、打点では岡本がわずか1差で村上を抑え戴冠。ところが2022年は、村上が史上最年少で3冠王を獲得した一方、岡本は3部門とも大きく水をあけられた。

「岡本は年上だけれど、村上のことを強く意識しているはず。(2022年には)シーズン序盤から村上にぐんぐん差をつけられ焦ったことが、全体的に不本意な成績に終わった要因の1つだと思う。村上とチームメートになることによって、打撃面で参考になることもあるでしょう」と篠塚氏は指摘する。村上を4番、岡本を7番に置く構想。巨人の先輩として「岡本にはWBCで、レギュラーシーズンへ向けて自信を取り戻すくらいの活躍をしてほしい」と言う。実際、岡本は昨年11月、侍ジャパン強化試合として行われたオーストラリア戦2試合に、いずれも先発フル出場。計7打数5安打2打点2四球と大当たりだった。

 センターラインは守備重視で選び、捕手にソフトバンク・甲斐拓也、遊撃に西武・源田壮亮、中堅に阪神・近本光司を配置する。打順は「1番にしつこい打撃ができる近本、2番にはライト方向へ打つのもうまい牧(秀悟=DeNA)」と名前を挙げ、クリーンアップは、日本球界の将来を担う村上をメジャーリーガー2人(エンゼルス・大谷翔平、カブス・鈴木誠也)で挟む。6番には、レッドソックスと5年契約を結んだ吉田正尚が戦列に加わることができれば理想的だと言う。

 また、ここ一番での代走のスペシャリストとして、ソフトバンク・周東佑京は不可欠と強調する。篠塚氏が携わった2009年WBCの日本代表で、それに近い役割を果たしたのが当時西武の片岡易之だった。「スタメン出場は少なかったけれど、代走、守備固めとして非常に重宝した。もともと、大会前から原(辰徳)監督(現巨人監督)がそういう役割でやってもらうと本人に伝えていて、実際に機能した」と振り返る。侍ジャパンには、その2009年以来となる3大会ぶりの優勝にぜひともこぎつけてほしいものだ。

【篠塚氏の予想スタメン】主砲・村上宗隆をメジャー勢が囲む“夢打線”…大胆予想した侍ジャパンのラインアップ

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY