大谷翔平、WBCは先発投手&DHか 指揮官の言葉にエ軍への配慮…担当記者が読む起用法

会見に臨んだ侍ジャパン・大谷翔平(左)と栗山英樹監督【写真:荒川祐史】
会見に臨んだ侍ジャパン・大谷翔平(左)と栗山英樹監督【写真:荒川祐史】

エンゼルスはWBC決勝の9日後にレギュラーシーズン開幕を迎える

 野球日本代表「侍ジャパン」は6日、大谷翔平投手(エンゼルス)ら一部メンバー12選手を発表した。都内ホテルで行われた記者会見には栗山英樹監督、大谷が出席。両者から注目される二刀流の起用法についての明言はなかったが、栗山監督から「球団との確認が必要」と“ヒント”が……。エンゼルスを取材する担当記者が大谷の起用法を占った。

「自分にできることを精一杯やりたい」という二刀流・大谷は、どのような姿で侍ジャパンを引っ張るのか。ミナシアンGMは「彼がやりたいと言うなら何も問題もない。ライトでもセンターでもクローザーでも、やりたいことは何でもやっていい」と一貫して大谷に任せる考えを示しているが、チームを考えれば、WBCでも「先発投手+指名打者」での起用が予想される。

 厄介なのはWBCの開催時期だ。侍ジャパンは3月9日から1次ラウンドを戦い、最後まで勝ち進めば米国時間21日が決勝戦。つまりエンゼルスの30日のレギュラーシーズン開幕戦(アスレチックス)の9日前だ。仮に打者に専念すれば、絶対エースとなった右腕が開幕前に1か月も実戦投球から離れることになり、少ない球数で済むクローザーならクローザーで球数を増やすなど開幕へ向けた調整を行えない。

 加えて大谷はメジャー全63試合登板でリリーフ経験はゼロだ。ミナシアンGMは「何でもやっていい」と言っているとはいえ、年俸3000万ドル(約40億3000万円)でメジャーを代表するスターを預かる立場の栗山監督なら……。やはり色々とリスクの少ない先発投手での起用が最有力だ。

 1次ラウンド4試合のWBC本番では先発投手は4人いれば回る。今回のメンバー先行発表では大谷を含めて、ダルビッシュ有、戸郷翔征、佐々木朗希、山本由伸、今永昇太の6投手が発表された。どの投手も所属チームでは先発投手として起用されているが、戸郷は昨年11月の強化試合で第2先発として登板。滑りやすいと言われる大会使用球に慣れないなどの好不調や不足の事態に備えて、ダルビッシュ、佐々木、山本、今永、大谷の5投手が先発として準備するのだろうか。

 打者としては一昨年にリーグ3位の46本塁打を放ち、昨季も34本塁打。メジャーを知る強打者を指名打者として起用しない手はない。そんなこんなで先発投手+指名打者の二刀流を予想するものの、漫画でも描けない活躍を見せてきた大谷だ。世界一奪回へ大いにフル回転する姿を期待したい。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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