396億円補強で先発再編も… レンジャーズが不安視されるワケ「コミカルなほど予測不能」

レンジャーズが獲得したジェイコブ・デグロム(左)とアンドリュー・ヒーニー【写真:ロイター】
レンジャーズが獲得したジェイコブ・デグロム(左)とアンドリュー・ヒーニー【写真:ロイター】

レ軍は今オフ、デグロムら4人の先発補強も全員が30代

 2022年は68勝94敗でア・リーグ西地区4位に終わったレンジャーズが今オフ、投手の大補強を敢行した。現役最強と謳われるジェイコブ・デグロムらFAで3投手を獲得するなど、3億ドル(約396億円)を投じて先発ローテーションを再編したが、いずれも年齢は30代。米メディアは「魅力的だが高齢でリスクの高いローテーション」と伝えている。

 昨オフはコーリー・シーガーやマーカス・セミエンら野手を中心にFA市場で5億ドル(約660億円)以上投入しながら、低迷したレンジャーズ。“投壊”が大きな要因で、ジョン・ダニエルズ編成本部長が昨年8月に解雇される事態となった。その反省からクリス・ヤングGMは投手獲得に資金を投入。FAで34歳のデグロム、31歳のアンドリュー・ヒーニー、32歳のネイサン・イオバルディを獲得した他、ブレーブスからトレードで32歳のジェイク・オドリッジを迎え入れた。

 今季先発ローテ入りが予想されるのは上記4人に、31歳のジョン・グレイとクオリファイング・オファーを受諾し残留した31歳のマーティン・ペレス。記事は「魅力的だがリスクが高い。完全に高齢で高価なFA任せのローテーションだ。しかし、最近の投手育成の状況を見てみると、これが、今すぐコンテンダーになるための唯一の方法だった」と解説している。

 レンジャーズは2013年から2020年のドラフトで、5巡目までに計22投手を指名したが、レンジャーズの一員としてメジャーのマウンドに上がったのは5人だけ。「この22人が、レンジャーズで誰もインパクトを与えられなかったのは驚きだ。価値あるMLBレベルの投手を全く育成できなかった」と断じている。

 5年総額1億8500万ドル(約244億3600万円)で獲得したデグロムは2021年の投球回が92回で、昨年は64回1/3。「世界最高の投手だが望むほど頻繁に投球しない。2021年から26試合しか先発していない34歳にその金額を使うのはとんでもないギャンブルだが、レンジャーズはエースを必要としていた」と記事は解説する。

 さらにレンジャーズ先発陣は「コミカルなほど予測がつかないグループである」とも。ポストシーズン進出に相応しい陣容だが、怪我に見舞われれば「すぐに忘れ去られてしまう」としている。さらに「この前代未聞の戦略は、どうしてもポストシーズンに出たいレンジャーズにとっては取る価値のあるリスクだろう」としている。

(Full-Count編集部)

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