被安打数は12球団最少も…V逸招いた“要因” 求められる鷹ブルペンの再建

救援陣では藤井が大ブレークし、チームを支えた

 先発陣が勝ち星を積み上げられなかった中で、ブルペンがリードを守りきり勝利をつかみ取った試合が多かった。救援陣では、中日から又吉克樹がFAで加入。開幕から18試合連続無失点と、セットアッパーとして抜群の安定感を披露した。守護神・森唯斗も、開幕から6登板連続でセーブを記録し、開幕8連勝に大きく貢献した。

 しかし、森は4月以降セーブ失敗が続き、再調整のため登録を抹消。さらに又吉も7月に右足甲を骨折し、戦線を離脱した。この窮地を救ったのが、独立リーグから育成選手として加入した藤井皓哉だった。

 藤井は55登板で22ホールド、防御率1.12と大車輪の活躍を見せた。150キロを超えるストレートと、大きく曲がり落ちる魔球「フォースラ」を武器に、シーズン後半はセットアッパーに定着。アクシデントで開幕ローテ入りを逃した松本裕樹、リバン・モイネロとともに勝利の方程式を担い、優勝争いの大きな原動力になった。

 しかし、優勝へのマジックナンバーを「1」として迎えた10月1日の西武戦では、同点の11回裏に藤井がサヨナラ2ランを被弾。翌2日のロッテ戦では泉圭輔が逆転3ランを浴び、リーグ優勝を逃す結果となった。

 今季の大きな課題は、千賀が抜ける先発陣の再建だ。実績のある東浜、石川にはエースとしての働きが求められる。藤井と森は、今季から先発転向の予定。武田翔太、高橋礼らの復活や、田中正義、杉山らのブレークにも期待したい。

(「パ・リーグインサイト」波多野瞭平)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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