あのイチローも胃潰瘍…大谷翔平にWBC世界一奪回の重圧、難易度MAXのシーズン完走

大谷翔平(中央)には侍ジャパンの顔としての期待がかかる【写真:Getty Images、荒川祐史】
大谷翔平(中央)には侍ジャパンの顔としての期待がかかる【写真:Getty Images、荒川祐史】

イチローは2009年大会後に胃潰瘍、松坂大輔は2009年故障続き

 野球日本代表「侍ジャパン」は大谷翔平投手(エンゼルス)ら一部メンバー12選手を先行発表した。大谷は6日に都内ホテルで行われた記者会見で栗山英樹監督と共に出席。3大会ぶりの世界一奪回へ投打で中心選手として期待されることになる。

 2017年の第4回大会でもメンバー入りしていたが、右足首痛のために出場辞退。今回がWBC初参戦となるが、今やメジャーを代表するスーパースターとなった28歳は“ド主力”。メジャーからダルビッシュ有(パドレス)、鈴木誠也(カブス)の参戦が決定。吉田正尚(レッドソックス)、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)らの参加も見込まれるが、大谷への注目度はピカイチ。侍ジャパンの顔として期待される。心配されるのが、世界一奪回への過度なプレッシャーだ。

 過去の偉大な選手たちも日の丸の重圧を背負ってきた。イチローは2006年大会で打率.364と引っ張り、マリナーズでのシーズンでもリーグ最多224安打で打率.322をマーク。しかし、2009年大会は練習試合から打撃不振に苦しんだ。韓国との決勝戦で決勝2点打を放ってWBC連覇へ導いたものの、大会後に極度の疲労から胃潰瘍に。レギュラーシーズンでリーグ最多225安打、打率.352を記録したのはさすがだったが、故障に強い安打製造機が初めて故障者リストで開幕を迎えた。

 投手では松坂大輔か。2006年大会後の西武でのシーズンでは17勝を挙げて同年オフにレッドソックスへ6年総額5200万ドルで移籍。WBCは最高のアピールの場となったが、世界一連覇へ導いた2009年大会後のシーズンでは故障続き。4勝6敗、防御率5.76はプロ入り後ワーストの成績に終わった。

 今大会は米国、ドミニカ共和国を筆頭に各国とも本気モード。まだ大谷らメジャーリーガーの参加が決まっていない2月の宮崎合宿からフィーバーする可能性が高い。昨季は近代野球では初めて規定打席、規定投球回の“ダブル規定”に到達。2年連続のシーズン完走も初めてだった。

 今オフにはFAとなり、一部では10年700億円級の超大型契約が予想されているが、今シーズンの成績が大きく左右するだろう。ここまでの調整について、大谷は「調整は例年通り。本当に体調がいいことだけが今のところいいことだと思う。このままの流れで行ければいい状態で臨めるんじゃないかなと思います」と語っていたが、難易度マックスのシーズンをどのように乗り切るのだろうか。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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