「外野手出身に名監督はいない」は本当か…直近15年のパ・リーグを検証してみた

西武黄金期を支えたメンバーのその後…出身ポジションを問わず監督に

 それでは、条件を「優勝」から「Aクラス」に変更した場合はどうだろうか。直近15シーズンの結果を見ると、最も多いのが投手の13回で、外野手はそれに次ぐ12回。そして捕手と内野手が10回ずつと、こちらにおいても外野手出身の監督が一定以上の割合を占める結果となった。

 人数に目を向けると、優勝回数では最も少なかった内野手出身の監督が、一転して最も多い数字を記録。それ以外の3ポジションは、いずれも全く同じ数字となった。特定のポジションに人数が偏ることがないという傾向は、現役時代のポジションによる有利・不利の度合いが減少していることを示すものでもあるだろう。

 Aクラス入りの回数では工藤氏の6回が最も多く、それに次ぐ5回を西武の渡辺久信氏、秋山氏、辻氏、栗山氏の4人が記録。日本ハムと楽天で、唯一2球団でのAクラス入りを果たした梨田昌孝氏を含め、長期間にわたって一定以上の成績を残した指導者は、投手、捕手、内野手、外野手の全ポジションにおいて存在していた。

 また、工藤氏、渡辺氏、辻氏、秋山氏といった、1980~90年代の西武黄金期を支えたメンバーが、監督としても実績を挙げている。この4人はいずれも6シーズン以上監督として指揮を執り、チームがAクラスを逃したのはそれぞれ1度のみ。伊東勤氏も2007年以前を含めれば6度のAクラス入りを果たしており、各ポジションで「元ライオンズ」の面々が手腕を発揮していることがわかる。

5度のAクラス入りを果たし、育成にも手腕を発揮した外野手出身の2監督

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