MLBではチケットのサブスクも… “ポストコロナ”で取り組むファンの新規獲得

「なぜスタジアムに集まってくるのか、理由を分析する必要がある」

 そのほか、ファンの獲得という課題に対して、アスレチックスがとった方法も解説されるなど理論と実例の両方からビジネス戦略を学ぶことができる内容だった。最後の講義では、UMassの卒業生で、現在スポーツビジネスの現場で活躍する2人が、球団職員から事前に寄せられた質問に答えた。

「メジャーリーグでは、新規ファンの獲得と既存ファンとの関係維持をどのようにして両立しているのか?」という質問に対し、「野球そのもののファンもいれば、社交の場としてスタジアムに訪れる人もいる。人々がなぜスタジアムに集まってくるのか、その理由を分析する必要がある」との回答が。メッツで実際に行った例も交えながら解説した。

 さらに「コロナ禍後、ファンに再びスタジアムへ来てもらうためにとった施策のうち、うまくいったものは?」と聞かれると「来場者にアンケートをとって、コロナに関連することを聞いている。例えば、トイレの清潔感やスタッフの感染症対策など。そういった懸念事項はファンのSNSに投稿される内容にもなるので、その点を徹底すれば『このチームは自分の不安要素をしっかり対処してくれる』というような印象を抱いてもらえる」と回答。アンケートを通してファンのニーズを把握し、それに応えていくことが重要だと強調した。

 参加者からは「マーケティングに特化した内容で、あらゆる部署で生きる内容だと感じました」「ファン理解のためのマーケティングリサーチや、若年ファンの獲得に向けた具体的アクションに落とし込みたいと思います」との声が寄せられた。講義内容をヒントにしたビジネスが、パ・リーグ、プロ野球界にさらなる発展をもたらすだろう。

(「パ・リーグインサイト」高橋優奈)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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