侍Jメジャー組の早期合流に“難題” MLBキャンプに異変、現役名将も嘆き「最悪だ」

侍ジャパン・大谷翔平【写真:荒川祐史】
侍ジャパン・大谷翔平【写真:荒川祐史】

メジャーではピッチクロック、シフト制限など新ルール導入、チーム練習が不可欠も

 野球日本代表「侍ジャパン」に選出されたエンゼルス・大谷翔平投手ら現役メジャーリーガーの合流時期が決まらない。栗山英樹監督は2月の宮崎キャンプからの合流を求めているが、まだ合流時期は決定せず。無理もないかもしれない。今年のメジャーリーグのスプリングトレーニングは特殊な事情があるようで……。

 走者なしで15秒、走者ありで20秒のピッチクロックや投手がプレートを外す回数の制限、極端なシフトの制限。メジャーでは今季から新ルールが導入され、各選手は対応が求められる。米ニューヨーク・ポスト紙は、WBCで主力選手が抜けるメッツのショーウォルター監督を取材。通算1652勝で4度の最優秀監督に選ばれている名将は、「みんな覚悟しておいたほうがいい。スプリングトレーニングでは(新ルールを)早く学習することが求められる」と語っている。

 WBCは昨季までと同じルールで行われる。決勝は3月21日(日本時間22日)。仮に決勝まで進出すれば、新ルールが導入される30日(同31日)の開幕戦まで残り1週間しかない。特にメッツではアロンソ、マクニール(共に米国)、リンドーア(プエルトリコ)、エスコバー(ベネズエラ)と4人の内野手がWBCへ。期間中はシフト制限などのチーム練習を全く進められない。ショーウォルター監督は「最悪だがどうにもできない。シーズンが開幕したら誰も待ってくれない。ルールに慣れていれば戦う上で有利になる」と不安を口にした。

 すでにショーウォルター監督はキャンプ地にタイマーの設置を依頼。ブルペンでの投球練習からタイマーを使って投げさせ、2月下旬のオープン戦前に紅白戦などの実戦練習を行うという。アマゾンで30ドルのタイマーを買って練習しているという中継ぎ右腕オッタビーノは「キャンプインしてから何とかするというのでは、自分がやりにくいと思った。あの時期は他に取り組まなければいけないこともあるから、(タイマー対処は)先にやっておきたかった。(30ドルは)いい投資だよ」と語っている。

 今年のメジャーキャンプは例年にない大忙し。侍ジャパンに選ばれた代表選手の所属するメジャー球団は、それでも早期の代表合流を認めてくれるのか……。侍ジャパンにとっては、乗り越える課題が多いと言って良さそうだ。

(Full-Count編集部)

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