1軍にのまれ痛恨失策…散々だったデビュー戦 西武・中山誠吾が繰り返す“自問自答”

西武・中山誠吾【写真:球団提供】
西武・中山誠吾【写真:球団提供】

同期で年下の滝澤が鮮烈デビュー「自分があの立場になっていたのかもしれない」

 出場はこの1試合にとどまり、5月12日に出場選手登録を抹消された。代わりに1軍登録されスタメン出場したのは、同期入団で育成から支配下登録された滝澤夏央内野手だった。滝澤は初出場初安打を記録しお立ち台に上がるなど、中山とは対照的に鮮烈なデビューを飾った。

「夏央の活躍を見ていて、もしかしたら自分があの立場になっていたのかもしれないと思ったら悔しかったです。自分より年下の選手が活躍している。このまま引きずっていてはいけない。プロ野球選手は、長くやれる職業ではないと思っています。『ここで終わって後悔はないか』と、常に自問自答しながらやっています」

 プロ1年目は、ついていくことに必死だった。もっと考えて練習しプレーすることができていたら、結果は変わっていたのではないかと思うこともある。打球を確実にアウトにする正確性が売りだ。昨季は思うようにアピールできなかったが、今シーズンに賭ける思いは強い。

「今日が良くても、明日良いかわからない。体力面だけでなく、不安との戦いもありました。1軍で試合に出続けられられるようになったときに『あの悔しさがあったから今がある』と思えるように、練習に取り組んでいます。『これだけやったんだから仕方がない』と思えるくらいまで、自分を追い込むつもりです」

 野球の基礎は父に教えられた。父に掛けられた言葉の中で、心に残っているものがある。「迷ったら前に出ろ」。勝負の2年目へ、昨年の悔しさを糧に、前へ進む。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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