収入半減で「もったいない」も… 元ハム右腕が“安定”よりキッチンカーを選んだワケ

コラボ実現も!? 同僚だった斎藤佑樹さんも「今度立たせてください!」

 特にこだわったのはバナナジュースだ。シンプルながら味の違いが出やすいため、徹底的に研究。10種類近くのバナナを食べ比べ、5種類以上の牛乳を飲み比べ、さらにその候補の掛け合わせ。莫大な時間を費やし「おいしい! これだ!」という一品にたどり着いた。鎌ケ谷で実際に飲んだ先輩OBの鶴岡慎也さんも「マジでうまい」と絶賛したお墨付きの看板メニューだ。

 日本ハム時代にチームメートだった斎藤佑樹さんは「(キッチンカーを題材にした)映画を見てやってみたいって思っていたんです。今度立たせてください!」と“直訴”してきたという。「だから、いつか佑ちゃんにも立ってもらいます」と密かなプランも持つ。

「利益の目標はもちろんありますが、1年間はとにかく無我夢中にやって、そこから具体的なビジョンを立てていきたい。でもまず台数を1台増やしたいというのは考えています。将来的には、都道府県に1台ずつあったら楽しそうだなって。大変ですけどね。ファイターズファンに恩返しして、野球界に還元していきたいと思っています」

 キッチンカーは「カキランド」と名付けた。自身の愛称「カキ」と合わせた「ランド」には「その空間を楽しんでほしい」との願いが込められている。2月23、25、26日には沖縄県名護市内で行われる日本ハムの1軍キャンプで出店することも決まった。

 ファン、そして野球界への恩返しの輪は着実に広がっている。異例の挑戦も、人を楽しませることに全力を注ぐ新垣さんらしい決断。「カキランド」は全国各地に、笑顔と幸せを届けていく。

(町田利衣 / Rie Machida)

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