トレードで放出も「苦労する姿ずっと見てきた」 未完のロマン砲に阪神ヘッドの“親心”

阪神から日本ハムに移籍した江越大賀【写真:荒川祐史】
阪神から日本ハムに移籍した江越大賀【写真:荒川祐史】

2軍で4番を打たせ続けた井上広大…平田勝男氏が悩んだ育成法

 阪神・平田勝男ヘッドコーチは、選手でもコーチでもタイガース一筋のプロ野球人生を歩んでいる。指導者になって、関わった選手はそれこそ数え切れない。大成功した選手もいるが、志半ばで無念の戦力外通告を受けた選手もたくさんいる。「こっちとしても、もっと手助けできなかったという反省はあるけど……」と、この件に関してはやはり寂しそうに話した。そんな中で、あえて、これから期待の選手と、素質はあるのにもったいない選手を挙げてもらった。

 2022年シーズンまで2軍監督だった平田ヘッドは期待の若手として「井上、前川、小幡。その辺がどのように成長してくれるか、だね」と即座に答えた。中でも力点を置いたのは井上広大外野手だ。2019年ドラフト2位で履正社高から入団した右のスラッガー。2023年シーズンはプロ4年目となる。「2軍では井上を俺はずっと4番で使ったけど、1軍では実力があるヤツがレギュラーを取るんだから、そういう意味では非常に楽しみが増えたね」。

 井上の2軍での育成法に関してはいろいろ悩んだという。「4番を外した方がいいんちゃうかとか、それをコーチ陣が我慢して使いましょうと後押ししてくれたりとか、4番を打たせて本当に彼のためになるのかなとか……。彼に対する期待も含めて、責任を持たせて全うさせましたけどね」。井上に「4番やめるか」と聞いたこともあったという。「『いや、4番打ちたいです』って言うしね。打ちたくありませんって言っていたら代えていた」とも明かした。

 それだけに思い入れもあるのだろう。「(井上と同期入団組で)一昨年は及川(雅貴投手=ドラフト3位)が頑張って、去年は西純矢(投手=ドラフト1位)が頑張って出てきたんでね。今度は打つ方で井上が出てくればと期待している。だって、もうファームにいたって4番は打たせてもらえないよ。和田(豊2軍)監督は俺より全然厳しいからね。井上はもうファームに行っているようでは駄目だよ」と熱く語った。

日本ハム入りのロマン砲に期待「うまく持ち味を発揮できればいいな」

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