5年107億円契約から鳴かず飛ばず… 大谷元同僚の“不良債権男”が引退決断

引退を決めたデクスター・ファウラー【写真:Getty Images】
引退を決めたデクスター・ファウラー【写真:Getty Images】

2016年にカブスの世界一に貢献したファウラーが引退を表明

「スパイクを脱ぐときがきました――」。カブス在籍時の2016年に球団108年ぶりとなるワールドシリーズ制覇に貢献した中堅手、デクスター・ファウラー外野手が31日(日本時間1日)、自身のSNSで14年間のメジャー生活を引退すると明かした。米最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」が伝えた。

 36歳のファウラーは「18歳でコロラド(ロッキーズ)からドラフト指名され、アナハイム(エンゼルス)でベテランになるまで、忘れられないことがいくつかあります。2008年9月、メジャーリーグに呼ばれたことを知ったとき(驚きで)クラクラしました」とデビュー当時を思い出して綴った。2016年にはキャリア唯一のオールスター出場を果たし、メジャー史上唯一の快挙となるワールドシリーズ第7戦での先頭打者本塁打を放った。

 ワールドシリーズを制した2016年オフ、カージナルスと5年総額8250万ドル(約107億円)の大型契約を締結。2017年は打率.264、18本塁打、64打点の成績を残したが、2018年途中にアクシデントが発生した。8月3日のパイレーツ戦で左足を痛めて途中交代すると、後に骨折が判明。戦線離脱を余儀なくされ、最終的に90試合出場で打率.180、8本塁打、31打点にとどまった。

 2019年には150試合に出場も、2020年は31試合の出場に。契約最終年の2021年、カージナルスが年俸の大部分を負担する形でエンゼルスにトレードされた。心機一転を図ったが、開幕直後に左膝前十字靭帯断裂の重傷を負い、出場は7試合のみ。ブルージェイズとマイナー契約を結んだ2022年はマイナーで3試合の出場に終わり、5月上旬にはリリースされていた。

 投稿では感謝の気持ちを書き込み、「ポジティブなインパクトを与えるためにベストを尽くした」と自身のキャリアに胸を張った。ファウラーの現役引退にファンは「いつも彼のプレーを見るのが楽しみでした。デクスターの幸運を祈っています」「この人が大好き! 彼のプレーを見るのはとても楽しい。彼の笑顔は伝染する」などと反応。“107億円の不良債権”と呼ばれた男だが、懸命な姿で勇気を与え続けた。

(Full-Count編集部)

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