450億円男の悲哀「寂しかった」 禁止薬物で出場停止…テレビ越しに見た仲間の躍動

パドレスのフェルナンド・タティスJr.【写真:Getty Images】
パドレスのフェルナンド・タティスJr.【写真:Getty Images】

ボガーツ獲得で遊撃を追われたタティスJr.は外野挑戦「何だってやるよ」

 今ごろはメジャーを代表するスターになっていたはずだったのに……。禁止薬物の使用で出場停止処分を受けているパドレスのフェルナンド・タティスJr.内野手が、今シーズンの逆襲へ決意を語った。4日(日本時間5日)に本拠地サンディエゴでのファン感謝イベントに参加し、米スポーツ局「ESPN」など複数メディアの取材に応じている。

 2021年の開幕前にパドレスと14年3億4000万ドル(約449億3000万円)の超大型契約を結び、順風満帆だったキャリアは突如として暗転した。昨シーズンの開幕前にオートバイ事故で手首を骨折すると、復帰を間近にしてMLBの共同薬物防止・治療プログラムに違反するパフォーマンス向上薬「クロステボル」の検査で陽性反応を示し、8月12日に無給での80試合の出場停止処分を受けた。

 打線の核を欠いたパドレスだったが、チームは地区シリーズでライバルのドジャースを破る快進撃を見せた。テレビで観ていたというタティスJr.は「プレーできずにとても寂しかった。そして、これ以上(プレーする機会を)逃すことを私は望んでいない」と悔やんでいる。今季は残る出場停止分の20試合を消化しなくてはならない。また肩と手首の手術からは90%ほど回復しており、すでに練習にも参加している。

 さらに今オフ、パドレスはFAの目玉だったザンダー・ボガーツ内野手と11年2億8000万ドル(約370億円)でサプライズ契約を交わした。タティスJr.は定位置の遊撃を追われ、左翼や右翼を守るとみられるが「何だって(どんなことでも)、私はやるよ」と外野の練習にも意欲的に取り組んでいるという。ボブ・メルビン監督も「必要であれば、彼は外野をプレーする準備ができている」とのコメントを残している。

 敵地ではブーイングを受けることも予想されるが、「僕はそれを受け入れるよ」と覚悟を決めているタティスJr.。「口でいろいろ言うより、フィールドで自分を証明したい。ただ、仲間と一緒にフィールド戻りたいだけだよ」と、すっかり改心した様子だ。また、アクロバティックで華のあるプレーで魅せて、ファンの信頼を取り戻してほしい。

(Full-Count編集部)

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