1軍未出場の育成22歳は「3割打てる」 “名伯楽”がうなった「天性」の打撃センス

1軍キャンプに参加するDeNA・勝又温史【写真:荒川祐史】
1軍キャンプに参加するDeNA・勝又温史【写真:荒川祐史】

DeNAの5年目・勝又は育成選手で唯一、1軍キャンプに参加している

 1998年以来、25年ぶりの優勝を目指すDeNAに若い力は欠かせない。沖縄・宜野湾キャンプでは連日、レギュラー奪取に向けたアピールが続くが、面白い存在がいる。1軍参加メンバーで唯一背番号3桁「028」の勝又温史外野手。野手転向2年目、1軍未出場ながら、田代富雄巡回打撃コーチが「3割打てる」と期待する逸材だ。

 1997年に横浜ベイスターズで指導者となってからユニホームを着続け、楽天や巨人なども含めて数々の打者を育て上げた“名伯楽”がうなった。

「勝又、おもしろいねぇ。スイングスピードもあるし、ありながら、崩されても何とかするような粘りもある。そういうのって結構天性のものなんだよ」

 2018年ドラフト4位で入団した勝又は投手としてプロ生活をスタートさせた。しかし1軍での登板はなく、わずか3年で戦力外となった。そして野手に転向し、育成選手として再出発。昨年はイースタン・リーグで69試合に出場して打率.293、6本塁打、23打点と光を放ち、プロ5年目でキャンプ1軍を掴み取った。

 それだけに、伸びしろは十分だ。「もの凄く練習する。まだまだ成長するだろうけど、現状でもおもしろい。俺は好きだな」と田代コーチ。パンチ力に俊足も兼ね備えており、どんな成長曲線を描くのか楽しみだ。

 外野は佐野、桑原のレギュラー格に、大田や楠本、関根、さらに神里や蛯名らもその座を狙っている。そこに育成選手が殴り込みをかけ、田代コーチも「チーム内の競争はみんな意識しているところ。チームのレベルも上がっていくからいいことだよ。本当におもしろいよ」と目を細める。支配下どころか定位置奪取も夢ではない。“ダークホース”の存在に注目だ。

(町田利衣 / Rie Machida)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY