中日首脳陣“背番号3桁”を相次ぎ大絶賛 オフ激変の19歳も…熾烈競争の裏に“狙い”

育成3年目・松木平にコーチも目を細める「めちゃくちゃいい」

 さらにもうひとり、片岡監督が「ことし1年、だいぶ楽しみです」と語ったのが、育成3年目の松木平優太投手。この日は松山から継投して2回無失点に抑えた。「体つきがだいぶ変わった」との言葉通り、オフをへて体重は6キロ増。ひょろっとしたイメージが強かった高卒右腕に、たくましさが増してきた。

 山井大介2軍投手コーチも「今年はカーブもいいし、ストレートのスピードも上がった。めちゃくちゃいい。十分期待していいというか、期待したいひとり」と補足する。昨季はファームで12試合に登板し、1勝5敗、防御率4.89だった19歳には、確かに覚醒の足音が聞こえている。

 現在チームの支配下選手は65人。まだ枠に余裕を残しているとはいえ、全てが育成からの昇格に使われるわけではない。投手陣では昨季、上田洸太朗投手が支配下を奪取。「育成のみんなは上田に刺激されて、ギラギラしていた」と、山井コーチは好影響を語る。

 育成からの突き上げには、別の効果も期待する。「こっち(2軍)が良くなったら、上(1軍)の選手は逃げなきゃアカンともっと頑張るだろうし。押し上げたいね。うかうかはしてないだろうけど、うかうかできないような状況にしたい」。近年リーグでも指折りとなった投手陣を、真の投手王国へと昇華せるために欠かせない“育成の躍動”。誰が頭ひとつ抜け出すのか、背番号3桁に注がれる視線は例年以上に熱い。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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