チームになじめず「気疲れしています」 指揮官から檄、球への対応…侍J宇田川の苦悩

19日にプルペン入りした宇田川優希【写真:小林靖】
19日にプルペン入りした宇田川優希【写真:小林靖】

オリックスの同僚・山本由伸が「一緒にご飯行こう」

 そんな中、助けになったのが同僚のエース、山本由伸投手。同じ1998年生まれで、キャンプでは部屋も隣だ。「自分から行けないので、気を遣ってくれて。僕の部屋に寄って一緒にご飯行こうって」。宮城大弥投手、佐々木朗希投手、高橋宏斗投手らと食事にも出て、同世代のチームメートとは徐々に交流も深まってきた。

 技術面でも、頼もしい存在がいる。オリックスでも指導を受ける厚澤和幸コーチが「24時間監視です」とつきっきりで指導。この日、2度目のブルペンでクイック投法を採用したのは、厚澤コーチの指示だった。「クイックだと考える時間がないので迷いなく(腕を)振れた。これが一番の収穫でした」。悩める右腕に光が差し込んできた。

 ダルビッシュのブルペン入りは知っていたが、見たかった気持ちを押し殺した。「すごく見たかったですけど、まずは自分のメニューをこなしてから。皆と同じように見られる立場になってからだと思う」。室内練習場で中嶋監督との“約束”だった減量にも取り組んだ。現在は97キロ。こちらも順調だ。

 試行錯誤を繰り返し、侍ジャパンの一員として世界一に貢献する。日の丸を背負えば、ドラフト1位も育成出身も関係ないが、自分の投球が勇気を与えられることも分かっている。「自分も千賀(滉大投手・メッツ)さんを見て凄いなと思った。育成選手の希望になれたらと思いますし、恥ずかしい投球はできない」。もう迷わない。やるべきことはわかっている。

【実際の様子】おもわず笑顔がはじける…同僚・山本由伸と会話する宇田川

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