最速170キロ右腕が語る剛速球の秘訣 295kg持ち上げる“超怪力”が掲げる夢

エンゼルスのベン・ジョイス【写真:小谷真弥】
エンゼルスのベン・ジョイス【写真:小谷真弥】

エ軍傘下ジョイスは招待選手としてメジャー昇格アピール中

 最速105.5マイル(約169.8キロ)を誇るエンゼルス傘下2Aロケットシティのベン・ジョイス投手が、メジャー昇格へ存在感を見せている。テネシー大では大学史上最速を記録した剛腕はドラフト3巡目(全体89位)でエンゼルス入り。このスプリングトレーニングでは招待選手としてアピールを続けている。「最高のオフシーズンを過ごせた。体を鍛えることができた。投げられる準備もできている」と意気込みを語る。

 196センチ、102キロのビッグな体格。何より怪力が自慢だ。下半身や広背筋を鍛えるデッドリフトでは650ポンド(約294.8キロ)を3度持ち上げるという。テネシー大時代に10マイル(約16.1キロ)も球速アップ。「3、4年前(速球が)急激に成長した。筋力トレーニングで負荷をかけた。強度と可動域が強化されたので、速い球を投げられるようになった。大学時代に速球が劇的に速くなったんだ」と打ち明ける。

 昨季は2Aで13試合登板(先発なし)して1勝0敗1セーブ、4ホールド、防御率2.08をマーク。2Aからメジャーキャンプへ招待された。「速球は力強くなっている。ほぼ毎日、筋力トレーニングをしている。そして、睡眠と栄養も(しっかり)とっている。なるべく睡眠と栄養をとるようにしている。(睡眠と栄養摂取は)自分にとって大きな助けになった」。自慢の剛速球でメジャーへ駆け上がるつもりだ。

 二刀流・大谷翔平と同じスプリングトレーニングで汗を流す。「ショウヘイから学べるので興奮している。最高レベルの選手なので、対戦できたらクールなことだ。それに投手としては素晴らしい球種が6つもある。スプリットの投げ方など色々学びたい」と目を輝かせる。

 メジャー最速はアロルディス・チャップマン(ロイヤルズ)がレッズ時代の2010年に記録した105.8マイル(約170.3キロ)。22歳の右腕は、その記録更新を目指す。「間違いなく目標であり、最速を記録することは私の夢だ。(MLB最速を記録)したいと思っている」。大きな体に魂を込めていく。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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