なぜ実績ある東浜、石川じゃない? 指揮官語る…鷹の開幕投手が大関に決まった理由
「石川はオリックスのアタマに行ってもらうのがベストなんじゃないか」
もう1つは開幕直後にある昨季のリーグ覇者・オリックスとの敵地での直接対決だ。昨季は10勝15敗と大きく負け越し、特にビジターでは3勝10敗と水を空けられていた。宿敵との直接対決にも視線を向けなければならない。指揮官は「石川はオリックスのアタマに行ってもらうのがベストなんじゃないかなっていうのがあった」と、石川を4月4日の敵地開幕戦へ向かわせる考えを示した。
また、変則的な日程も決断の背景にはある。開幕翌週の金曜日は試合がなく、組まれているのは週5試合。さらに次週からの2週間は木曜日に試合がなく、週5試合が続く。開幕戦に先発した投手は翌週の先発を飛ばすか、いきなり中5日ないし中7日の調整を強いられることになる。
指揮官は「石川、東浜っていうところは間違いなく投げてもらわないといけないピッチャー。開幕に行ったらいろいろズレたり、そういうところもある。中7日とかで行く形だったら、大関が一番無難にこなせるのかな」とも語る。東浜、石川への厚い信頼があるからこそ、きっちり中6日で回ることのできる曜日で、ローテに組み込みたい考えのようだ。
「これから左のエース級にならないとね。将来的には、今年、来年とステップして、左のエースという形になってもらわないといけない投手なので、本当に大関には期待しています」と大きな期待を寄せた藤本監督。育成出身では千賀、石川に次いで3人目の大役。昨季、精巣がんの手術から復活を遂げた左腕が、V奪還への先陣を切ることになる。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)