タクシー車内で「太ってないやん」 ダルビッシュが侍投手陣を“わしづかみ”できるワケ

侍ジャパン・ダルビッシュ有【写真:小林靖】
侍ジャパン・ダルビッシュ有【写真:小林靖】

最年長の36歳が…育成出身の24歳に突然「ごちそうさまです」

 引き出しの多さに日々驚かされる。3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を戦う野球日本代表「侍ジャパン」の宮崎キャンプで、話題をさらっているのが、パドレス・ダルビッシュ有投手。連日、若い投手陣と楽しそうに話している姿が見られるが、伝えたのは技術だけではない。

 キャンプ休日だった20日の夜、悩める育成出身右腕・宇田川優希投手(オリックス)は、食事に向かうタクシーの中で突如、ダルビッシュにおなかを触られた。「全然太ってないやん」。そのひと言で、肩の荷が下りた。

 宇田川は侍ジャパンのキャンプに来る前、オリックスの中嶋聡監督から減量を命じられていた。食事を抜いて一気に4キロ落とすことに成功した一方、空腹で集中できないときもあった。そんな時にダルビッシュから「無理に食べないで(体重を)落とすと、パフォーマンスも落ちるよ」とアドバイスをもらったのだ。「『食べてもいいけど、その分ちゃんと動く』と言ってくれて、自分でこれは食べていい、これは食べちゃダメと管理しながらできるようになりました」と変化のきっかけを明かす。

 体重管理のヒントをくれただけではない。この日、投手会での食事が終わると突然「ごちそうさまです!」とお辞儀を受けた。すると投手陣全体から「ごちそうさまです」と頭を下げられ、一気になじめたのだという。キャンプ入り直後はチームメートに自分から声をかけられず、19日の練習後には「気疲れも出ている」と話していたのがウソのような変化だった。

 食事会後の様子をダルビッシュはじめ、各選手がSNSに投稿したことで「宇田川会」「宇田川Japan」というワードがトレンド入りした。実際にはダルビッシュが会計を持ったといい「驚きました。自分、払ってないですよ。でも、皆から声かけてもらえるようになって打ち解けられました」と笑顔を見せた

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