投球制限に侍ブルペンが用いる“秘策” 2009年ダルビッシュの再現も「ゼロではない」

2009年WBC決勝でのダルビッシュ有【写真:Getty Images】
2009年WBC決勝でのダルビッシュ有【写真:Getty Images】

1次ラウンドは4連戦…投球制限で複数のクローザーが必要

 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に挑む「侍ジャパン」の宮崎キャンプでは22日、広島・栗林良吏投手、巨人・大勢投手、さらには当初予定のなかった楽天・松井裕樹投手がブルペン入り。くしくも、所属球団でクローザーを務めている3人がそろい踏みした。侍の首脳陣は最大7試合の短期決戦を勝ち抜くため、特定の守護神を決めず、調子や相手によって日替わりで乗り切る方針だ。さらに、2009年の第2回WBCを制した時のダルビッシュ有投手(当時日本ハム、現パドレス)のように、当初先発していた投手が準決勝や決勝で一転、クローザーを務める可能性も否定しない。

 今回のWBCでは投手に、50球以上投球した場合は中4日、30球以上で中1日のインターバルを置かなければならず、球数に関わらず3連投以上はできないという制限が設けられている。一方で1次ラウンドの「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」で戦う中国、韓国、チェコ、豪州との試合は4連戦(3月9~12日)。日程上、もともと複数のクローザーを用意する必要があった。

 厚澤和幸ブルペン担当コーチは「(クローザーを)決めずに調子のいい選手で回していくイメージを持っています」と明かす。“回していく”要員も、所属球団でクローザーを務めている3人に限定しない。「松井、栗林、大勢を信頼していないわけではありませんが(所属球団での役割には)あまりこだわっていません」と言う。

「143試合のレギュラーシーズンであれば、役割がきちっと決まっていた方が準備がしやすいと思いますが、短期決戦では固定観念にとらわれない方がいい」と厚澤コーチ。「あらかじめ役割をきちっと決めるなら、ブルペンコーチはいらないと思うのですよ。いま調子のいい投手を見極め、前もって心と体の準備をさせるために、僕は呼ばれたと思っています」と矜持を示した。

栗山監督も「詳しくは言えないが…最後に行けちゃう先発投手もいる」

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