大活躍でも“立ち位置”微妙 あふれる岡本和真をどう起用する…首脳陣の秘策は?
26日には実戦起用の可能性も「不安にさせないように準備させるのが僕らの仕事」
もちろん、サポートメンバーが外野全てを守るのは当初から予定の範囲内だったと思うが、例えMLB組が合流しても左翼構想がなくなることはなさそうだ。清水雅治外野守備・走塁コーチも「万が一」と言いながらも、左翼起用できるような準備は進めている。
「万が一ってことです。最悪選手が怪我してというところで。もともと内野手で巨人のキャプテンを張っている選手ですから、外野もやれって指示はできない。多く求めるものでもない」
21、22日のシートノックでは実際に左翼守備にも就いた。栗山英樹監督も「本当に全く問題ないので、和真は幅のある選手なんだなということをみんなが確認できた」と太鼓判を押した。清水コーチは「しいて言うなら……」と課題は走者一、二塁でのカバーリングを挙げる。「ライト側に飛んだボールで三塁側へのカバーリングがどうしても遅れがち。万が一の時は守ってもらうかもしれない」と話す。
では、合流したMLB組が打撃不振に陥るなどしたらどうするのか――。清水コーチは「それは監督と打撃コーチが決めること」としたが、日の丸のユニホームを着て結果を残し続けたら、簡単に外すのも難しいだろう。
もちろん、慣れない守備が逆にリスクになることも重々承知だ。ましてや国際大会の大舞台、一発勝負の世界で、プレッシャーもかかる。しかし、清水コーチは「不安にさせないように準備させるのが僕らの仕事」と、26日にはチャンスがあれば実戦での左翼起用も示唆する。選手を信じ、周囲を驚かせる起用をこれまでもたくさん行ってきた栗山英樹監督。岡本の左翼構想も決して、ただのリスクヘッジだけではないような気がする。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)