菊池雄星がヒゲを伸ばした理由 ワイルドな風貌に称賛の嵐、指揮官「いい感じだ」

パイレーツとのオープン戦に先発したブルージェイズ・菊池雄星【写真:ロイター】
パイレーツとのオープン戦に先発したブルージェイズ・菊池雄星【写真:ロイター】

パイレーツとのオープン戦で2回5奪三振1安打無失点と好投

 ブルージェイズの菊池雄星投手が25日(日本時間26日)、フロリダ州ブラデントンで行われたパイレーツとのオープン戦に今季初先発し、2回を投げて1安打無失点、5奪三振の無四球と好投した。先発ローテーション入りに向け、力強く踏み出した。

 初回2死から3番サンタナに内野安打を許したが、4番マカッチェンをチェンジアップでタイミングを外して空振り三振に仕留めた。「行けるという感覚があった」という2回は、変化球でストライクを先行させるなど3者連続三振で力強く締めくくった。直球は94マイル(約151キロ)を計測し、変化球を主体にストライクを先行させた。菊池は「オフシーズンにやってきたことが初戦でしっかりと出せたかなと思います。チェンジアップもストライクも取れて三振も取れた。やりたいことが全てできた」と、充実感をにじませた。

 3年契約の2年目の今季は先発5番手を争う立場でキャンプを迎えた。勝負のシーズン。1月20日頃にフロリダ州の球団施設に入り、トレーニングを開始し、早めに仕上げてきた。「ピッチングコーチを中心にデータやフォームなどのアドバイスをしてくれた。そういう取り組みが早い時期にできたというのは良かったと思います。いい準備ができた」。この日は33球のうち20球がストライクで、空振りは14度奪った。「ストライク先行で昨年できなかったゾーンの中で攻めることができれば必ず数字もついてくると思います。そこに対して今日はいいスタートが切れたと思います」。オフの取り組みが早速実を結び、手応えを得た。

 このキャンプで習得を目指すカーブもうまく使ってタイミングを外し、「手応えは十分ありましたね。一番遅い球を待つのは難しいと思うので、今日みたいにストライクが欲しいときに使えればストライク先行の割合も高まってくる」。また、今季から導入されているピッチクロックについてもしっかりと対応。マカッチェンに対しては制限時間残り1秒になるまでじらしてから、チェンジアップで空振り三振を奪う頭脳的な投球も披露。「バッターにとっても大変なことも多いのかなと思いますね。有利に使えるところもあるのかな」とうなずいた。シュナイダー監督も「ピッチクロックがあることでテンポ良く投げることができていた」とピッチクロック効果を指摘した。

 ヒゲを生やしてワイルドな風貌になった菊池。「ヒゲがオフに一番成長した部分かな」と言って報道陣の笑いを誘った。生やした理由は50くらいあるそうで、「海外では若く見えますから。バーとかいくと必ず免許証見せろと言われるので、僕は髭を伸ばせる歳だぞって、店員さんにアピールする理由もなくはないです」と冗談交じり。登板後、ファンにサインをする際には「I like your beard!」と声をかけられ笑みを浮かべた。「アメリカ人は切るな切るなっていうので、こんなの(もっと長いヒゲ)を期待しているみたいなんですけど、さすがにそれは(笑)。どこがちょうどいいかというのを今は探している段階です」。順調な仕上がりに、言葉も弾んだ。

 シュナイダー監督は「これ以上ないスタートになった。我々が期待した通りの投球。ヒゲもいい感じだし、(新しいスタイルを)気に入っている。マウンド上で意地悪っぽくも見える。この登板を見たらヒゲを剃らせるわけにはいかないだろう」と満足そうに笑った。

【実際の様子】昨年までとは別人!? ヒゲをたくわえワイルドな風貌になった菊池雄星

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