ダルビッシュが“イジられた”14年前 V2の重圧の中で…結束強めた松坂のひと声

2009年のWBCで内野守備走塁コーチを務めた高代延博氏【写真:山口真司】
2009年のWBCで内野守備走塁コーチを務めた高代延博氏【写真:山口真司】

松坂がダルビッシュを立たせて「こいつ腕が短いんですよ」

 もちろん、守備練習だけではない。さらに打撃練習にも精を出していた。体が心配になるくらい、誰もが熱心だった。「勉強になりましたね。向上心の強い子は、言われたことだけじゃなくて、自分で考えて、自らやる。うまくなりたいんだ、活躍したいんだ、というふうにね。ああ、こういうふうになるんだと確信めいたものを、その時感じましたよ」。大きな目標に向かって、チームには自然と一丸ムードもできあがっていった。

 グラウンド外でも食事会などで盛り上がったという。「覚えているのはアリゾナのステーキハウスに行った時、松坂(大輔)がダルビッシュ(有)を立たせて『これだけの身長がありながら、こいつ腕が短いんですよ』って“発表”したんですよ。みんな笑ってましたね」。

 少々のお酒も入っての楽しい宴。「あれも大輔の気遣いじゃないですかね、ピッチャーと野手が交わるところって食事会くらいしかないから。ダルビッシュは『やめてくださいよ、ここまで来て』って言ってましたけどね」。

 当時22歳のダルビッシュは、そういう役回りでもあったようだが、高代氏は、この右腕絡みで、もうひとつ、忘れられないグラウンド外の出来事があるという。「あの時は勘弁してくれよって思ったね」。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY