鉄腕が“惚れた”鉄腕「僕、ファンなんですよ」 頼れる男気…DeNA助っ人の魅力
日米通算906試合の五十嵐氏が絶賛する八面六臂の働き
日米通算22年のプロ生活を送った野球評論家の五十嵐亮太氏。現役時代は球速150キロ台後半の剛速球とナックルカーブを操りながら、日米通算906試合に登板した。平成以降に活躍した投手の中では、元中日の岩瀬仁紀氏(1002試合)に次いで多い記録。必要とされる場面で腕を振り続けた右腕が「僕、ファンなんですよ」とラブコールを送る人物がいる。それがDeNAの頼れる救援、エドウィン・エスコバー投手だ。2月にキャンプ地・宜野湾で30歳の左腕を直撃インタビューした。
2017年に日本ハムと契約してNPB入り。同年7月に黒羽根利規捕手とのトレードでDeNAにやってきた。以来、今年で足掛け7シーズン目。DeNAではここまで341試合に投げている(2022年終了現在)。2019年にはリーグ最多となる74試合に登板し、昨季も70試合に投げている。
救援一筋のキャリアを送った五十嵐氏は、ヤクルト時代の2003年と2004年にそれぞれ66試合に投げ、リーグ最多登板を記録した。それだけにシーズン70試合を超える登板が、いかにタフなものかを熟知している。さらに、五十嵐氏が評価するのは「登板する場面を選ばず、キッチリ仕事を果たす男気」だ。
「勝ちパターンであれ、ビハインドの展開であれ、常にチームのために投げている姿がいいですよね。そして、最後はお立ち台で『男は黙って投げるだけ』の決めゼリフで締めくくる男気。僕は大好きです」
守護神で同い年の山崎康晃投手から教えてもらったという「男は黙って投げるだけ」のフレーズは、今ではすっかりおなじみとなった。昨季序盤には山崎と三嶋一輝投手の両クローザーが不在の際、9回のマウンドを無失点で守り切り、お立ち台でキラーフレーズを3度連呼。すると、お立ち台で並んだ牧秀悟内野手も「男は黙って打つだけ」と続く名シーンも生まれた。
スリークォーターの投球フォームから投げ込む150キロ台中盤のストレート、ツーシーム、スライダー、チェンジアップで打者を翻弄する左腕は、五十嵐氏との会話の中でも変わらぬ男気を見せ続けた。