「ここは出るらしい」 ダルビッシュは部屋移動…青木の一言で勃発した“お化け騒動”

2009年のWBCで内野守備コーチを務めた高代延博氏【写真:山口真司】
2009年のWBCで内野守備コーチを務めた高代延博氏【写真:山口真司】

2008年を最後に落合中日を退任…原監督から掛かってきた電話

「東京ラウンドでは原監督の監督室で食事をしたり、外へ出ても監督の接待でステーキハウスに行ったり……。『今日は何時に出発です、監督の食事会です』が多かったですね」。カラオケとなると原監督をはじめ、スタッフ全員が歌ったそうだ。「でも原監督はお酒の場でも、よし、ここで打ち切りましょうってパッと切り上げますからね。チームの長として、やはりすごいなと思いましたね」。

 高代氏は、原監督に誘われて侍ジャパンに入閣した。2008年オフ、落合博満監督率いる中日のコーチを退任して間もない頃だった。「ちょうどロッカーを整理している時に電話があった。『巨人軍の原辰徳でございます』ってね。『あっどうも監督、ご無沙汰しています』って言いながら、内心、巨人のコーチの話かなって思ったんだけどね」。それが日本代表のコーチ就任の打診だった。しかし、即答はしなかったという。

「次の年、どうしようって思っていたからね。収入を考えれば、どこかの球団に所属できるほうが安定するので、まず、そっちを探したかった。原監督にもその旨を話したけど、その後、また電話があって『もう先輩一人だけです』と言われて『すみません。遅くなりました。よろしくお願いします』と。それで決まった」

 誘われるまでWBCのことなど、一切、頭になかった。だが「今となればものすごい経験をさせてもらった」と感謝しかない。激戦だった韓国との決勝戦。試合前にはサインが見破られていないか気になったという。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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