“人類最速左腕”攻略へ…侍が仕掛けた「カリカリ」大作戦 牽制死連発も「勝った」

日本戦に先発したアロルディス・チャップマン【写真:Getty Images】
日本戦に先発したアロルディス・チャップマン【写真:Getty Images】

2009年WBCで侍Jはチャップマン対策に着手…スコアラーは2点を伝えた

 MLB通算315セーブのアロルディス・チャップマン投手は「人類最速左腕」の称号を持つ。レッズ時代の2010年に169キロを計測した。現在34歳。昨季はヤンキースで43試合に登板し、4勝4敗9セーブ、防御率4.46。FAで1月にロイヤルズと契約を結んだ。この左腕は2009年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でキューバ代表として侍ジャパンと対戦した。21歳の当時から剛速球投手として知られていたが、結果は日本の完勝だった。

 3月15日にペトコパークで行われたキューバとの第2ラウンド初戦。原辰徳監督率いる侍ジャパンのチーフスコアラーだった三井康浩氏は相手先発・チャップマン対策に神経を使った。勝ち進んでいくためには絶対にクリアしなければいけないキューバの大黒柱。それこそ、ビデオを含めて研究に研究を重ねた。その結果、ミーティングでは「ベルトから低めの真っ直ぐを狙ってほしい」「塁に出たら足で揺さぶってほしい」の2点をナインに伝えたという。

「チャップマンの映像を見ると、真っ直ぐが速いんで、打者は高めの球を振らされて、カウントを悪くして三振したり、凡打に打ち取られたりしていた。(日本)代表選手は力はあるんですけど、力負けするなってところがあったんで、やっぱり高めは捨てて、低めをと。すごく幼稚なことだったんですけど、ちょっとヘルメットを深めにかぶって高めを消して、ベルトから低めだけ。そうすることによってボール球が増えて四球も選べるしね」

 出塁したら足技だ。「チャップマンはまだ若くて、走者が揺さぶりをかけるとイライラして投球に集中できないという情報があったんで、そこを攻略の糸口にしようということでね。とにかく塁に出たら、刺されてもいいから揺さぶってくれと。いつもよりリードを1歩、2歩多めにとって走るなりなんなりして揺さぶってカリカリさせてくれ。そうすれば、絶対勝てるから。打ち崩せるからってね」。そして、それはきっちり実行された。

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