“バレバレの癖”に侍ナイン大笑い 米国との準決勝直前…緊迫感打ち消した衝撃情報
米国に完勝…長嶋、王氏は「めちゃくちゃ喜んでくれました」
先発・松坂大輔がいきなりロバーツに先頭打者ホームランを浴びても、侍ベンチは余裕ムードだったという。「ベンチの中は全然大丈夫、大丈夫って雰囲気だった。だって、そこまで癖がわかるピッチャーはなかなかいないですよ。あれでよくその前の年に17勝もしたなって思いましたね。そういう意味では緻密さは日本の野球の方があるんだなって思いましたね」と三井氏は懐かしそうに振り返った。
「あのピッチャーはカーブがけっこう大きかった。真っ直ぐも速かったんですが、カーブがむちゃくちゃ邪魔だった。でもカーブがわかれば、なんてことのないピッチャーだったんです。コースも別に両サイドに振ってくるわけじゃなく、アウトコースばかりだったし。彼らは癖さえ分かったら、球種が分かれば打ちますからね」。オズワルトは4回途中、6失点で降板。侍打線は予定通り、見事に打ち崩した。
「緩い球が好きな人はカーブを待つし、速い球が好きな人は真っ直ぐを待つ。もうなんでもいらっしゃい、どっちかいらっしゃいみたいな感じで……。だから、あの試合はもう楽しかったですね」。癖を見つけるのも技術。敵はオズワルトだけではないとはいえ、ゆとりを持って戦えたのは事実だろう。
「王さんと長嶋さんからWBCに行く前に、とにかくアメリカ戦は何とかしろって言われていた。アメリカ野球に追いつけ、追い越せでずっとやってこられましたからね。癖のことは言いませんでしたけど、めちゃくちゃ喜んでくれました」。しかし、この大会では計算外のこともあった。ノーマークの選手にしてやられた。
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)