絶好調の吉田正尚か、不振脱却の村上宗隆か… 栗山監督が侍Jの「4番」を託すのは?

侍ジャパン・村上宗隆(左)と吉田正尚【写真:荒川祐史】
侍ジャパン・村上宗隆(左)と吉田正尚【写真:荒川祐史】

「メジャー組が入れば化学反応が起こる」の目論み通り

 侍ジャパンの栗山英樹監督が第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で4番の座を託すのは、吉田正尚外野手(レッドソックス)か、それとも村上宗隆内野手(ヤクルト)か。本番前最後の対外試合となった7日の「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 強化試合」オリックス戦(京セラドーム大阪)では、チーム合流後2試合目の吉田が4番に座り、4打数3安打4打点。一方、壮行試合・強化試合を合わせてそれまで全5試合で4番を張ってきた村上は、初めて6番に下がったが、初回に左中間へ3ランを放ち溜飲を下げた。

 吉田、大谷翔平投手(エンゼルス)、ラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)の“メジャー組”が合流するまで、侍打線はいまひとつ迫力を欠いていたが、栗山監督が「メジャー組が入れば、化学反応が起こると信じている」と目論んでいた通り、ムードは一変した。

 特にメジャー移籍1年目の吉田の場合、この時期は米国の環境に慣れ、チームに存在をアピールすることを先決と考える方が普通。栗山監督も当初は「呼んではいけない」と考えていた。しかし、吉田自身の強い意志を受けて招集。吉田がチームの練習に合流した5日には、「思わず正尚を抱きしめた。言葉はいらないだろう」と興奮気味に明かしたほどで、「彼の決断は1つの歴史のスタートだと思う。日の丸をつけるとか、代表でプレーすることの意味を、これからの野球人に示してくれた」と評している。チーム合流後間もないとは言え、吉田を日本の4番に据える意義は十分にあると考えているようだ。

 強化試合2試合で、7打数4安打5打点。吉田本人は「たまたまだと思います。まだミスショットが多い」と冷静に自分の打撃を分析しているが、それでも結果を出せるところが頼もしい。

本塁打後4打席凡退も「毎年この時期は差し込まれることが多い」

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