戦力外の3か月後にWBC打診「まじか、嘘やん」 1本の電話…現役続行がもたらした縁

WBC中国代表・真砂勇介【写真:荒川祐史】
WBC中国代表・真砂勇介【写真:荒川祐史】

出場を決断すると初戦の相手は侍ジャパン「凄い縁だな」

 ただ、一方で、すぐに快諾したわけではなかった。まだ、日立製作所に加入して1か月。4月に大会は始まるが、WBCに出場すれば、2月のキャンプも参加できなくなる。プロ野球選手と違って社員契約。自分1人では決められなかった。ただ「(出られなかったら)後悔するやろうな」。そう意を決して和久井勇人監督に相談した。

「こんな機会ってないと思うので。けど、会社もあるし、複雑だったんですけど……」。そうっと監督に相談した。心の声は届いていたのか「行っておいでと。俺も行かしてあげたい」と快諾してくれた。

 会社側からも許可が下り出場を決断。奇しくも初戦の相手は侍ジャパンだった。「戦力外になってそのままホークス残っていたら出れてなかった。引退して野球やめてってなっても出れてなかったし……。凄い縁だなと思いますし、感謝していますね」。先発登板する大谷翔平投手(エンゼルス)と初対戦。「世界の大谷選手なんで、そこに立てるというのは幸せなこと」と喜ぶ。

 戦力外から3か月後に国を背負って戦う。急転直下から再び上昇を狙う「人生ジェットコースター」。野球を続けたからこそ、巡ってきたチャンス。「やるからには、勝ちを目指したい」。真砂の野球人生が、再加速する。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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