栗山監督の隣で口ずさんだ君が代 ヌートバーが感慨、侍ナインは「英語が上手い」

侍ジャパンのラーズ・ヌートバー【写真:Getty Images】
侍ジャパンのラーズ・ヌートバー【写真:Getty Images】

MLB公式サイトに語った“日本への思い”

 侍ジャパンに初の日系選手として選出されたラーズ・ヌートバー外野手が、MLB公式サイトで「日本への思い」を語っている。9歳の時、家族が高校日本代表のホストファミリーを務め、田中将大投手(現楽天)らと交流。その経験から日本への思いが強くなったと明かしている。「彼らは私のロールモデルだった。僕にとっては2週間ほど兄ができたようなものだった。何週間か兄を迎え入れたみたいだった。今回は逆になって嬉しい」と時を越えて縁を感じている。

 公式戦ではないが、格別の思いでフィールドに立った。6日に京セラドーム大阪で行われた「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 強化試合」の阪神戦で、新たな歴史が作られた。ヌートバーは「1番・中堅」でスタメン出場した。

 溢れる思いは、時に“空回り”。ホームユニホームのヌートバーは初回、守備に就こうとした。「ホームユニホームを着ていたので、僕たちがホームチームだと思ったんだよ。守備をする準備をしていたら、みんなが『お前は打つんだよ』ってね」と汗をかいた。ヒットを打てば披露する「ペッパーグラインド」のパフォーマンスで、一気にチームメートと打ち解けた。大谷翔平投手(エンゼルス)や吉田正尚外野手(レッドソックス)らもポーズを披露するなど浸透した。

 高校日本代表の試合でバットボーイを務めた少年は、今や堂々たるメジャーリーガーに。ヌートバーは今、心から野球を楽しんでいる。自己紹介をすれば「10~15年前に会った幼かったバットボーイが、今、日本代表としてプレーすることが信じられないようだった。みんな、僕のことを心から歓迎してくれた。これ以上は望めないほど、本当に素晴らしい経験だ」と喜んだ。

 日本語は話せない。「コミュニケーションの90%は非言語的なものできるだけ主要な単語を使って、彼らが理解できるようにする。彼らも僕に同じことをする。それに、驚いたけど、彼ら英語が上手いんだよ」。ナインの意識にもビックリだった。

 日本語は話せなくても、胸に日の丸をつけている。ヌートバーは「君が代」の歌詞を学んだ。「(栗山)監督の隣にいて、一緒に歌ったんだ」「歌詞の一部を知っていることを証明するためにね。とても楽しかったよ」。9日からWBC本戦がスタートする。輝く目は、あの頃のヌートバー少年そのものだった。

(Full-Count編集部)

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