“厳戒態勢”で見えた韓国の本気度　メダル逃した五輪経て…指揮官が示した勝利への自信

TBSの石井大裕アナウンサーは韓国のアリゾナ合宿を取材

　野球日本代表「侍ジャパン」は「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 1次ラウンド 東京プール」で10日に韓国と対戦する（午後6時からTBS系列で生中継）。宿命の対決は今回、どんなドラマを繰り広げるのか。熱いバトルが期待されるが、TBSの石井大裕アナウンサーは、その日に備えて韓国代表も精力的に取材。米アリゾナ州での代表合宿に出掛けてつかんだ“ネタ”の一部を披露してもらった。

　石井アナのネットワークは広い。これまでに約50か国を訪問するなどワールドワイドに飛び回っている。韓国代表に関する取材も以前から何度も行っており、韓国プロ野球を統括するKBO（韓国野球委員会）とのパイプもある。今回のアリゾナ取材でも、それは生かされていた。「日本人メディアは入っちゃ駄目だって言われたんですけど、KBOさんとかのはからいで入れさせていただきました」。韓国初のメジャーリーガーで“レジェンド”のパク・チャンホ氏にも話を聞けたそうだ。

　しかしながら、中はピリピリムードが漂っていたという。「ワンオンワンでインタビューする予定だったのですが、前日にKBOさんから『ごめんなさい、できない』との連絡がありました。囲み取材はOK、選手へのインタビューは特別にカメラを回さない条件でなら、となりましたが、今回の韓国はかなりの厳戒態勢でしたね」。WBCへの気合はハンパではないようだ。「東京五輪でメダルを獲得できなかったこともあって、何としても結果を出さないといけない雰囲気がありました。代表選手には通常より高い報奨金を渡すことになったそうですしね」。

　そんな韓国代表取材を通じて、石井アナが侍ジャパンにとって要注意選手と感じたのは誰か。「おなじみになってきましたけど、イ・ジョンフ外野手（キウム）ですね。僕が取材に行った時もメジャーリーグのスカウトが8チームか9チーム来ていました。今シーズンは韓国でやって、来シーズンからメジャーに行くと決めていますし、WBCで結果を出せば、MLBでの価値が高まることも含めて彼は燃えてますからね」。

　父は元中日のイ・ジョンボム氏で名古屋市生まれの24歳。「東京五輪の日本戦で打てなかったから、今回は、との思いでいると聞いているんですが、彼はそう言わないんですよね。囲みで記者に日韓戦のことを質問されても『第1戦のオーストラリア戦のことしか考えていない』って。そういうところもまた不気味というか……」と石井アナは言い、その気迫を感じ取ったようだ。