大谷翔平はなぜ大舞台でも活躍できる? 専門家が解説…同じミスを繰り返さないワケ

侍ジャパン・大谷翔平【写真:Getty Images】
侍ジャパン・大谷翔平【写真:Getty Images】

大谷は「3番・投手兼DH」で出場し4回1安打無失点、4打数2安打2打点の活躍

 野球日本代表「侍ジャパン」の大谷翔平投手(エンゼルス)は9日、「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」の1次ラウンド・中国戦(東京ドーム)に「3番・投手」の投打二刀流で出場し、投げては4回無失点、打っては4打数2安打2打点の活躍を見せた。野球評論家の新井宏昌氏は「投打の中心であるのは間違いないが、この日は修正能力が素晴らしかった」と、絶賛した。

 やはりチームの中心は大谷だった。初陣のマウンドを託された右腕は最速160キロの直球を武器に4回を1安打無失点、5奪三振の快投。打者としても4回1死一、三塁の好機で迎えた第3打席で左中間フェンス直撃の2点二塁打を放ち、8回の先頭で迎えた第5打席でも4得点の口火を切る痛烈な右前打を放った。

 これまでもメジャーの舞台で投打二刀流の活躍を見続けてきた新井氏は「初戦の重圧があるなかでも問題なく普段通りの実力を発揮した。投手としても打者としても、しっかりと相手を分析しチームを勝利に導いた」と、賛辞を送った。

 相手は格下の中国。マウンド上の大谷からすれば、それほど警戒する打者はいなかった。それでも「最も制球ができ、自信のあるスライダーで相手を封じた。昨年も多投していた球種を使い、余裕のあるなかでの投球に見えました。それでもまだ、全てを見せていないと感じています」と新井氏は口にする。

 一方で打撃に関しては「同じミスは繰り返さない、修正能力の高さを見せた」と振り返る。1点リードで迎えた2回2死満塁の第2打席は、見逃せばボール球だった外角低めに手を出し遊ゴロ。だが、続く4回の第3打席では同じような低いボール球を完璧に捉えた。

「他の打者が緩いボールに苦しむなかでも、大谷は同じ球を我慢して、逆方向に素晴らしい打球を飛ばした。打ちたい気持ちが先走ると、どうしてもバットのヘッドの動きは速くなり引っ掛けてしまう。それでも、相手投手のスピードを理解して1打席で修正した。第5打席の右前打も我慢してヘッドを効かせた打撃を見せていました」

 初のWBCでも唯一無二の二刀流を、いかんなく発揮した大谷。試合後は「中国も素晴らしい野球をしていた。中盤は分からなかった試合」と、相手を称えることも忘れなかった。初陣を白星発進で飾り、3大会ぶりの世界一に向け死角はない。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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