1点防ぐ前進守備に「まるでプレーオフ」 超豪華軍団、米国に見える“本気度”

3回1死三塁のピンチで前進守備を指示…無失点にしのいだ

 前日10日の会見でデローサ監督は「戦略、戦術というより私が担うのは選手たちの士気を高め気持ちを一つにすることだ」と話し、その後にチームミーティングを開いている。また、この日を迎えるまでに2試合の強化試合を行っているが、練習ではメジャーのキャンプでもほとんど見られない“シートノック”を提案。「昔流で守備面での一体感を選手に得て欲しかった」とその意図を説明している。

 デローサ監督が整えた準備の一つを迷わず出したのが3回だった。

 1死三塁の場面で内野に前進守備隊形を指示。守りで相手に重圧をかけ内野ゴロと外野飛球で難局を脱した。ベンチに戻った先発ウェインライトの「まるでプレーオフの雰囲気だった」の言葉に指揮官は「私が選手に伝えようとしてきたのがそれだった」と返したと言う。

 粒ぞろいの選手が集まったアメリカ代表は、ファンが期待したような圧倒的な展開は披露できなかった。が、この日の戦いには個々の選手が持てる力を発揮するために乗り越えるべきものがいくつかあった。

 トラウトと並びチームの精神的な支柱、アレナドは言った。「プレーオフと感じは同じ。でも、国の威信をかけたゴールドメダルのために戦うのとは違う」

 独特の雰囲気の中で一体感を高めたアメリカ代表は12日(同13日)、メキシコと戦う。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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