WBCは「新しい世界を見せてくれる」 超一流選手と触れて感じた“伝えること”の魅力

夢をもらったスポーツ「子どもたちにきっかけとなる中継を」

 石井アナは「取材する時にはちょっと先を見るというか、例えば、日本が準決勝になったら、こういう人たちが知れたら素敵だよなって、自分自身も夢を見ながらというのはすごく心掛けていますね」という。その上で、声を大にしてこう話した。

「もしも日本代表がドミニカ共和国と対戦すればマチャドとかフリオ・ロドリゲスとかを、テレビで準決勝を見た時に、わっ、すごい選手がいるんだなって、興味を持つ。そうすると、どういう人なんだろうって調べる。あの選手、すごかったねっていう話を学校とかでもする。僕はそういう新しい世界を見せてくれるのがスポーツのすごい魅力だなって思うんです」

 世界で戦う日本人が出てくれば、そのスポーツへの熱は上がる。メジャーリーグだけでなく、多くの競技で日本人が世界の強敵と戦う姿を見てきた。「それと同じで今回、日本代表が勝ち進んだりすると、知らず知らずに世界の野球を知ることになる。そういうワクワク感はメディア冥利に尽きるというか、そんな感覚がありますね」。

 今回のWBCではこんな目標も立てている。「自分が子どもの時にスポーツに夢をもらって、何か一生スポーツで楽しみたいって思えた経験をしているので、子どもたちに、そういうきっかけになるような中継をしたいなと思います」。夢は膨らむ。侍ジャパンだけでなく、相手国にも及ぶ石井アナの全力取材は大会期間中も続く。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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