平成の世にもいた“追いロジン”右腕 打者もクレームつけた「消える魔球」伝説|球界群像 佐々岡真司#9
広島で投手として活躍し、監督も務めた佐々岡真司氏【写真:山口真司】佐々岡真司氏が回顧…「拭け」と言われても「無視していた」
野球漫画「巨人の星」の主人公・星飛雄馬は大リーグボール1号、2号、3号を武器にした。2号は「消える魔球」。投じたボールが土煙とともに一瞬消えるという設定だったが、元広島投手で野球評論家の佐々岡真司氏も「消える魔球」の“使い手”としてテレビ番組などで取り上げられたことがある。こちらの“原因”は土煙ではなく白煙。たっぷりつけたロジンとともに投じられたボールのことで、腕が振れている時ほど、粉がポンと出てきたという。
「滑るのが嫌だったから、毎回毎回ロジンをつけていたから、粉が飛ぶってね」と佐々岡氏は苦笑しながら“消える魔球”伝説を振り返った。状態が良ければ“白煙”も増える傾向にあったという。「しっかり切れていれば、腕が振れていれば、粉がポンと出るのだろうし、調子が良ければ、粉が出るからね」。実際、クレームをつけられたこともあったそうだ。「あまりつけすぎると拭けと言われた。バッターも見づらいとかね」。
それでも佐々岡氏はやり方を変えなかった。「ルール上、しょうがないですよね。粉のロジンなんで、だったらアメリカ製の、ああいう粉が出ないようにしてくれればいいしね。審判がちょっと言ってきた時があったと思うけど、無視していましたね」。こればかりはどうしようもなかったわけだ。「まぁ、今でもそういうピッチャーっているじゃないですか」。令和の現在も、日本ハム・伊藤大海投手のようなロジンの“使い手”はいるが、佐々岡氏のボールは実際に打者目線で「消える」という評判もあった。
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
球界群像〜佐々岡真司編〜
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