大谷翔平より「技術は上」　専門家が驚愕した吉田正尚の“修正力”「体に染みついている」

不振を極めた村上がサヨナラ打を打てた裏に、大谷翔平の存在が

　野球日本代表「侍ジャパン」が劇的勝利で3大会ぶりの決勝進出を決めた。20日（日本時間21日）に米フロリダ州マイアミのローンデポ・パークで行われた、第5回ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）準決勝のメキシコ戦、1点を追う9回無死一、二塁で村上宗隆内野手（ヤクルト）がセンターオーバーの逆転サヨナラ打を放ち、6-5で歓喜の白星だ。野球評論家の新井宏昌氏は「全員が勝つために、自分の持っているものをすべて出す、そういう姿を感じました」と侍たちを絶賛。なかでも9回先頭の、大谷翔平投手（エンゼルス）の思い切りのいい打撃がサヨナラ打を呼んだとして高く評価した。

　負ければ終わりの土壇場の攻撃。先頭打者の大谷はメキシコ守護神のジオバニー・ガイエゴス投手（カージナルス）から二塁打を放って出塁した。「あの展開での先頭バッターで、初球のチェンジアップのような外の抜け球を……。ボール気味の球を思い切りよく、ちょっと強引なんですけど、そういうふうに打っていこうという気持ちが、村上の逆転サヨナラヒットも引っ張ったんじゃないかと思うんですよね」と新井氏は言う。

　しかも大谷は、ヘルメットを飛ばしながら気迫満点の走りを見せ、二塁ベース上では侍ナインを鼓舞するように大きなジェスチャー。「大谷は（6回に）ヒットを打って出塁した時も、ベンチを盛り上げるような仕草をしていましたよね。それも代表の一員として勝つために、自分の力を全力で出していくという姿の現れだと思いますね」とうなった。

　実際、あの村上の最終打席には“違ったもの”も感じたという。「これまでの彼はストライクを見逃すことが多くて、真っ直ぐも、変化球も、相手にストライクを与えることが多くて、彼本来のバッティングができていない状況だったと思います。今日もボールの下をくぐるようなスイングで空振りの三振をしたりしていたわけですからね。でも最後の打席では、やや高めの真っ直ぐを芯で捉えていました。それまでなら、あの高さだと、ボールの下をくぐって、ファウルや空振りをしていたと思う。それをきちっと合わせたところに“何か違うもの”が入ってきたんじゃないかと思いますよ」。