大谷翔平より「技術は上」 専門家が驚愕した吉田正尚の“修正力”「体に染みついている」

メキシコ戦で同点3ランを放った侍ジャパン・吉田正尚【写真:Getty Images】
メキシコ戦で同点3ランを放った侍ジャパン・吉田正尚【写真:Getty Images】

吉田正尚の同点弾に脱帽「感心するしかない。素晴らしい」

 もちろん、その中で結果を出した村上も二重丸だ。「大谷を見て、よし自分がって気持ちが出たんじゃないかと思います。さすが昨年の3冠王という感じのものを見せてくれましたね」。決勝戦に向けても大きな一打だ。「自分がサヨナラ打で貢献したということでちょっと気持ちも楽になって、決勝では今までよりも力を抜いた打席になるんじゃないかと思いますね」と、さらに期待した。

 加えて新井氏が「感心するしかない。素晴らしいです」と絶賛したのは7回2死一、二塁で起死回生の同点3ランを放つなど、3安打と活躍した吉田正尚外野手(レッドソックス)だ。「7回のホームランで、すごいところはボールへの対応力ですよ。あの打席、ワンストライク後のチェンジアップを体勢も崩さず、どしっとしたスイングで空振りしました。これはもう真っ直ぐと判断して、振りにいって、空を切ったわけです。そして、それよりもっと難しいチェンジアップを、ものの見事に右手1本でバットの芯をボールの芯に持って行き、なおかつファウルにしないような形で右手を伸ばしてスタンドまで飛ばしたんですからね。簡単にその場でできることではない。もうすごいとしかいいようがないです」と褒め称えた。

「大谷のパワーもすごいですけど、打撃術は吉田のほうが優れていると思います。右ピッチャーでも左ピッチャーでも、本当に自分の形が崩れないですからね。体に染みついているものがあるわけですよ。今日のメキシコ先発投手(パトリック・サンドバル投手=エンゼルス)に、他の人たちはボールを見てしまうというところがありましたけど、吉田は見たり、打ちにいったり、両方できていた。気が早いかもしれませんが、今年の彼のメジャーでの成績というのが、楽しみになりましたね」と付け加えたほどだ。

 投手陣に関しても先発・佐々木朗希投手(ロッテ)、2番手・山本由伸投手(オリックス)が失点したものの、新井氏は「内容は決して悪くありませんでした。むしろ、彼らがこれだけ頑張っているんだから、と打線も奮起したんだと思います」と言う。苦しい試合を乗り越えた侍ジャパン。まさに最高のムードで決勝・米国戦に挑む。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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