村上宗隆の“金縛り”解いた大谷翔平 専門家が決勝も期待「必ずチャンスで回る」

侍ジャパン・大谷翔平【写真:Getty Images】
侍ジャパン・大谷翔平【写真:Getty Images】

ここぞの場面、ついに打った村上宗隆「初めて腹をくくった」

 侍ジャパンは日本時間21日、米フロリダ州マイアミで行われた第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝をメキシコと戦った。1点ビハインドで迎えた9回、村上宗隆内野手(ヤクルト)が中堅フェンス直撃の逆転2点二塁打を放ち、6-5で劇的なサヨナラ勝ちを収めた。この日もそれまで4打席無安打3三振、大会通算打率.190(21打数4安打)の不振にあえいでいた“村神様”が、ここ一番で覚醒できたのはなぜか。そして激戦の勝敗を分けたポイントは、どこにあったのだろうか。野球評論家の野口寿浩氏に分析してもらった。

「この日も村上は1、2打席目あたりまで、打席中の流れが非常に悪かったです。若いカウントで甘い球を見逃し、難しい球に手を出して追い込まれたり、打ち取られたりしていましたから」と野口氏は指摘する。

 確かに、メキシコの先発で大谷翔平投手(エンゼルス)の同僚でもある左腕パトリック・サンドバル投手に対し、2回無死一塁で迎えた第1打席は、初球に真ん中高めの甘いスライダーを見逃し、2球目は外角低めのボールになるスライダーを空振り。カウント2-2となってから、高めのボール気味のスライダーを振らされ三振に倒れた。

 4回2死一、三塁での第2打席もサンドバルに対し、初球をファウルした後、2球目の真ん中のスライダーを見送り、あっという間に追い込まれる。結局カウント1-2から外角いっぱいのスライダーに手が出ず、見送り三振に終わった。

 第3打席、第4打席もハーフスイングを取られたり、ボール球を振らされたりしながら凡退していた。しかし最後の最後、1点ビハインドの9回無死一、二塁での第5打席は、最初から様子が違うと野口氏は見ていた。初球はど真ん中の151キロの速球を打ち損じ、三塁側スタンドへのファウルとなったが、「腹をくくるしかない状況で、初めて腹をくくって初球の甘い球を振っていった雰囲気がありました」と言う。そしてカウント1-1から高めのストレートを一閃。長いトンネルを抜け、侍ジャパンに歓喜をもたらしたのだった。

大谷の変化も指摘「こころが沸き立つところがあるのかも」

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