米国撃破へ…専門家が指名する侍の“抑え” WBC球もピタリ「変化が大きい」

侍ジャパン・大勢【写真:ロイター】
侍ジャパン・大勢【写真:ロイター】

ダルビッシュ、大谷の可能性も…大勢の抑えが面白い

 リードして9回を迎えれば、準々決勝に先発し4回2/3、71球(4安打2失点)を投げてから“中5日”の大谷翔平投手(エンゼルス)が控えている。しかし、野口氏が「仮に抑えを託されても、十分役割を果たすと思う」と高く評価するのが、大勢投手(巨人)である。今大会3試合に登板し3回3安打無失点。準決勝・メキシコ戦でも1点ビハインドの9回に登板し、1死球こそ与えたものの1回無安打1奪三振無失点に抑え、その裏の逆転サヨナラ劇につなげた。

 野口氏は「大勢はもともと、150キロ台後半の速球がナチュラルに変化するので、非常に打ちにくい投手ですが、縫い目が高いと言われるWBC球では普段より変化が大きい。チームメートで慣れているはずの大城(卓三捕手)が何度か捕り損ねていたのは、大城自身が緊張していたせいでもあるでしょうが、変化が大きいからだと思います」と言うのだ。

「米国戦で勝つための近道は、ロースコアの展開に持ち込むこと。打ち合いとなっても、絶対に勝てないとは言いませんが、分が悪いのは確か」と野口氏。米国はムーキー・ベッツ外野手(ドジャース)、ポール・ゴールドシュミット内野手(カージナルス)、マイク・トラウト外野手(エンゼルス)のMVP獲得経験者3人をはじめ、トレイ・ターナー内野手(フィリーズ)が“恐怖の9番打者”として今大会トップの4本塁打、日本の吉田正尚外野手(レッドソックス)に次ぐ同2位の10打点を誇るほど、打線の破壊力が凄まじい。

 確かに、侍ジャパンとしてはノーガードの打ち合いは避けたいところだろう。いずれにせよ、球史に残る激戦となる予感しかしない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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