大谷翔平VSトラウトは「五分五分だった」 専門家が見た“世界最高峰”対決の分岐点

マイク・トラウトを空振り三振に仕留めた侍ジャパン・大谷翔平【写真:Getty Images】
マイク・トラウトを空振り三振に仕留めた侍ジャパン・大谷翔平【写真:Getty Images】

3度のMVPを誇る現役最強打者・トラウトの対決「投げそこないがなかった大谷に軍配」

 メジャーリーグの解説者としても活躍する新井氏は「大谷VSトラウト」の勝敗は五分五分だと見ていた。

「トラウトはどちらかと言えばローボールヒッター。普通は低めにボールを集めるとなるが、トラウトの場合は逆で低めの方が危険な打者。スライダー、スプリットの投げそこないがあればトラウトに勝機があり、大谷が強いボールをベルトより上のゾーンで勝負できれば大谷の勝ち。お互いの個性を知るもの同士だったので面白い対決だった。その後も甘く入る抜け球はなく、4球目の高目、160キロ直球で空振りを奪い追い込んだ。次の投球は力んでボールになり、フルカウントからはコントロールに自信のあるスライダーで空振り三振を奪った」

 初球は外角低めのボールになるスライダーで様子見。2球目は真ん中低めの160キロ直球で空振り。その後も甘く入る抜け球はなく、4球目で高めの160キロ直球で空振りを奪い追い込んだ。最後は外角からボールゾーンに逃げていくスライダーで空振り三振を奪った。

「強いボールで空振りを奪い、キレのいいスライダーで三振。投げそこないがなかった大谷に軍配が上がった。ウィークポイントを突いた配球も素晴らしかったが、あの場面で全てを出し切れるのが大谷のすごいところ。今年のメジャーリーグでも、これ以上の活躍を見せてほしい」

 夢の対決を制し、出場を熱望していたWBCで3大会ぶりの世界一という最高の結果を残した大谷。トラウトを斬った“最強の二刀流”は、興奮冷めやらぬ中3月30日(同31日)にはアスレチックスとの開幕戦に挑む。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY