30人のランナーコーチ「全然見えてない」 劇的サヨナラを生んだ周東佑京の“確信”

WBC準決勝、村上の一打で一気に本塁に生還した侍ジャパン・周東佑京(奥)【写真:Getty Images】
WBC準決勝、村上の一打で一気に本塁に生還した侍ジャパン・周東佑京(奥)【写真:Getty Images】

帰国会見で白井ヘッドコーチが「ベンチに30人のランナーコーチがいた」と語るも…

 ソフトバンクの周東佑京内野手、甲斐拓也捕手、牧原大成内野手が25日、侍ジャパンの活動を終え、広島とのオープン戦が行われる本拠地PayPayドームを訪れた。世界一に輝いたWBCでの激闘を終え、周東は「すごい貴重な時間だったなと思います」と語った。

 周東といえば、準決勝のメキシコ戦でのサヨナラのホームインが今大会最大の見せ場となった。1点ビハインドの9回無死一、二塁のチャンスで吉田正尚外野手の代走として送られた。村上の打球が中堅の頭上を越えると、迷うことなく一塁から激走し、サヨナラのホームに生還した。

 ホームインの瞬間を「いや本当に嬉しかったですし、予選からなかなか出番も少ない中での出場だったので何とか爪痕を残したいなと思いましたし、村上選手があそこですごいいい打球を打ってくれたので、見せ場を演出していただいてありがたいなというふうに思いました」と振り返った周東。サヨナラ打を放った村上への感謝の思いも口にした。

 帰国後の会見で白井一幸ヘッドコーチが「三塁コーチャーの私としては、ここは回すか止めるか非常に難しい場面でしたけど、選手全員が、ベンチに30人のランナーコーチがいたので何も臆することがなく回すことができた」と語っていたが、実際、周東にはどんな景色が見えていたのか。

「もう全然見えてないです。打球見て、もう行けると思ったんで」と笑いながら回顧した周東。二塁走者の大谷翔平投手(エンゼルス)に追いつきそうなくらいのスピードで生還し「横からの角度だったんで、打球のスピードもわかりましたし、練習のときからムネの打球もずっと見てたんで、抜けると。センターの動きも見ながらですけど、抜けると思ったんでいっちゃいました」と確信を持ってスタートを切っていたことを明かしていた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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