源田を「戻してくれと言うこともできたけど…」 侍熱狂の裏で西武が襲われた“大ピンチ”

西武・源田壮亮【写真:荒川祐史】
西武・源田壮亮【写真:荒川祐史】

韓国戦で右手小指を骨折も…準々決勝以降は強行フル出場

 侍ジャパンの絶対的な正遊撃手として、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝に貢献した西武・源田壮亮内野手が26日、本拠地・ベルーナドームで行われた優勝記念セレモニーに参加した。感動的な優勝の“代償”として、右手小指を骨折。松井稼頭央監督はこの日も、5日後の31日に迫った公式戦開幕に源田が間に合うかどうかについて、「今、話をしているところ。皆さんにお伝えできることは、まだ何もありません」と明言を避けた。

 緊急事態なのは間違いない。源田はWBC2戦目の1次ラウンド・韓国戦で、二塁走者として帰塁の際に右手小指を痛めた。翌日から2試合を欠場したものの、準々決勝以降は患部にテーピングを何重にも巻いた状態でフル出場を続け、優勝の原動力の1人となった。今回の侍ジャパンで、遊撃の控え候補の筆頭は、所属球団の阪神で二塁へコンバートされた中野拓夢内野手で、5年連続ゴールデングラブ賞遊撃手の源田の代わりは、事実上いなかったと言える。

 ただ、侍ジャパンにもいなかった源田と同レベルの代わりが、西武1球団にいるはずもない。しかも、西武にとって源田は、キャプテン就任4年目の大黒柱だ。球団関係者の1人は「もちろん源田が骨折した時点で、西武へ戻してくれと要求することも、やろうと思えばできた。しかし、本人の意志を尊重したかったし、野球界全体のあれほどの盛り上がりに水を差したくなかった」と複雑な表情を浮かべる。

 源田は短期決戦のWBCでは強行出場を続け、攻守に骨折の影響を感じさせなかったが、143試合の長丁場の序盤となれば状況が違う。前出の球団関係者は「無理をせず、完治させてから復帰した方がいいのではないか」と言うが、本人と現場の首脳陣はどう判断するか。

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