不安だった黒田博樹氏のプロ初登板 「ずっと頭にある」未来開いた“重要な1球”

広島・大野寮の寮長を務める道原裕幸氏【写真:山口真司】
広島・大野寮の寮長を務める道原裕幸氏【写真:山口真司】

広島入団当時、前田健太は「朝食を一生懸命食べていた」

「入団した時から1位の澤崎(俊和投手)は即戦力だが、将来は黒田の方がいいだろうって言われていたと聞いていた。そう考えたら、その通りになりましたよね」。スカウトたちの見立ても当たったわけだが、どうしても最初の1球を思い出してしまう。もっとも、そういうところをうまく乗り越えたのも実力のうちということか。

 黒田氏同様にカープからメジャーに渡ったのが2006年高校生ドラフト1巡目指名の前田健太投手(ツインズ)だ。「彼の場合は最初から投げて良し、打って良し、守備も良し。これはいい、1軍で使えるんじゃないかって2軍の監督にだったかな、言ったことがありましたよ。でも、これは翌年から使う。もうちょっと待つと言っていた。上の方も我慢したんでしょうね」。前田は2年目の2008年に9勝2敗。当初の育成計画通りに進行させて大正解だった。

「前田健太がルーキーの時、僕は2軍バッテリーコーチだったから、(2軍の)大野寮にも早い時間から行っていたけど、朝飯でお茶漬けを食べていたのも覚えてますね。朝食は絶対食べなければいけないのがルールですから、一生懸命食べてましたよ」と道原氏。「今の選手にも言いますよ。マエケンも朝はちゃんと食べていたぞってね」。メジャーリーガーの若かりし頃の話は“教材”にもなっているわけだ。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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