トラウト斬りの20歳は「タイトル争いに絡む」 専門家が見た“WBC効果”期待の選手

侍ジャパンの一員として活躍した中日・高橋宏斗【写真:Getty Images】
侍ジャパンの一員として活躍した中日・高橋宏斗【写真:Getty Images】

野球評論家・野口寿浩氏、高橋宏斗は「タイトル争いに絡む可能性大」

 2023年のプロ野球が開幕。今季はその前に行われた第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一メンバーとなった経験を糧に、大きく飛躍を遂げそうな選手がいる。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が指摘する。

 野口氏が真っ先に名前を挙げるのは、弱冠20歳の若侍、高橋宏斗投手(中日)だ。「WBCで自信を得たことは間違いない。もっぱら短いイニング限定のリリーフ登板とはいえ、出力を上げた時にすごいピッチングをすることが実証された。大きな成長が期待できます」とうなずく。

 高橋宏はWBCで3試合に登板し、計3イニングで3安打1失点、5個の三振を奪う一方で四死球はなく、防御率3.00という成績だった。圧巻は決勝の米国戦で、3-1と2点リードして迎えた5回の1イニングを任された。先頭のムーキー・ベッツ外野手(ドジャース)に三塁内野安打を許すも、マイク・トラウト外野手(エンゼルス)をフルカウントからスプリットで空振り三振、続くポール・ゴールドシュミット内野手(カージナルス)を外角低めの156キロの速球で見逃し三振に仕留めた。

 ノーラン・アレナド内野手(カージナルス)には左前打され、1発逆転のピンチを背負ったが、カイル・シュワーバー外野手(フィリーズ)をカウント3-0から、ど真ん中の154キロで中飛に打ち取り得点を許さなかった。メジャーリーグのトップクラスを相手に一歩も引かない気迫を見せ、試合の流れを引き寄せた。

 高卒2年目の昨季は、3月30日のDeNA戦で1軍デビューを飾ると、比較的長い間隔を置きながら19試合に先発し6勝7敗。規定投球回には届かなかったものの、防御率2.47、リーグ3位の134奪三振という好成績だった。野口氏は「中日では先発として長いイニングを任されるわけで、WBCの時とは条件が異なるが、年間を通して中6日を守ることができれば、タイトル争いに絡む可能性が高い」と見込んでいる。

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