門限破りの“常習”だった鈴木誠也 懇願した寮長「見えるところでやってほしい」

広島・菊池涼介【写真:荒川祐史】
広島・菊池涼介【写真:荒川祐史】

入寮の日から練習した菊池涼介

 鈴木とともに「大野寮での印象深い選手」に挙げたのが菊池涼介内野手だ。中京学院大から2011年ドラフト2位で赤ヘル入り。道原氏は「最初に来た時に『ここは練習するところがいくらでもあるよ』って言ったら、彼はその夜から練習してましたからね。守備は最初から良かったですね。『あいつはすごいプレーをするぞ、エラーもするかもしれんけど、派手なプレーをする。面白い』とコーチに話した記憶もあります」と振り返った。

 さらにこう付け加えた。「菊池は夕食の時なんか、今は(コロナで)しゃべれないですけど、大きな声を出して、笑いながら食べていましたね。明るい性格。みんなを盛り上げるようなところもありました。それもよく覚えています」。

 そんな鈴木や菊池涼の若手時代の話は大野寮の伝説になっている。「今の選手に菊池は来た日から練習していたよって言ったら、みんなやりますからね。誠也のように門限を過ぎて練習をやっている子もいますよ。最近はウエートトレが多いですけどね。だいたいの選手は最初、やるんですよ。でもそれが、1年、2年と経ってくるとだんだん……。それじゃあいけないんですよ。やっぱり継続している子がいい選手になっていますからね」。

 みんなプロで成功してほしい。道原氏は、第2、第3の鈴木や菊池涼の出現を心待ちにしている。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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