高校生の長男に助言求める43歳左腕 親友・五十嵐亮太も驚く石川雅規の“新発見”

対談を行ったヤクルト・石川雅規【写真:佐藤直子】
対談を行ったヤクルト・石川雅規【写真:佐藤直子】

球界で進むデータ化…石川「状態の可視化はいいけど、数値だけではないものもある」

五十嵐:怪我はしないようにはしていても、危機感は年々強くなるもの?

石川:なってる。昔は先発ローテに入って、週に1回投げるのが当たり前に感じていた。もちろん競争はあるけど、プロ選手は冷静に考えれば自分の立ち位置って分かるから。

五十嵐:確かに、周りとの比較で「まあ負けないだろう」とか「勝負かな」とか。

石川:でも、今は同じ実力だったら若い投手の方が使われるかもしれないから、その中で自分の居場所を確保しないと。ここ数年は15試合前後の先発だけど、今年もどうチーム内の競争に勝っていくかを大事に思ってやっているね。

五十嵐:その中で毎年キャンプは同じようにやってくる。年代で多少変化はあるだろうけど、やることは基本的に変わらないのかな。

石川:年齢に関係なく「怪我をしない」というのが絶対。そこに毎年の積み重ねで22年目があるから、ある程度のベースはある。でも、投げ方は毎年変わるよね。選手は日々体が変化しているから、前年のいい時の感覚は参考にこそしても、キャンプではキャッチボールしかりブルペンしかり、今年の投げ方を早く掴む作業になるかな。

五十嵐:なるほど。今年はブルペンで球数が制限されていたと聞いたけど。

石川:そうそう。より一層、ブルペンでの1球の重みがあった。ある程度の形ができたら、あとは自分のボールをしっかり投げることだよね。長く投げているから、もはやデータもありすぎて(笑)。

五十嵐:データと言えば、今はボールの回転数や回転軸、フォームも含めて数値化されているけど、どう活用しているの?

石川:勝てる投手はデータを見れば、その理由が分かる。その一方で数値に表れないものもあると思うから、あまりデータ偏重になるのもどうかな。自分の状態をデータで可視化できるのはすごくいいけど、回転数が良ければ抑えられるというものでもなくて、投げどころやタイミングもあるじゃない。俺が生き残れているのは、数値だけではないものがあるからだと思うんだよね。

五十嵐:数字には表れない、目に見えない何かがある……。

石川:根本的に投手と打者はタイミングのずらしあいが大事だけど、それは数値化されない要素でしょ。そこがあるから野球は面白いのかなって。そう信じています(笑)。

五十嵐:いいね(笑)。データを活用するのはいいことだけど、それだけじゃないよと。

石川:もちろん。投げる腕の角度だったり、自分がいい時の数値はあるから、そこは追い求めてはいる。

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