「無理と言われても」 コロナ感染で体力激減も…石川雅規が盟友・五十嵐に誓う「200勝」

ヤクルト・石川雅規(左)と同級生の五十嵐亮太氏【写真:佐藤直子】
ヤクルト・石川雅規(左)と同級生の五十嵐亮太氏【写真:佐藤直子】

石川の基礎を築いた子ども時代「大きい人には負けたくない」

五十嵐:マサは昔からそういうところがある。すごく覚えているのが、チーム状況もあって2か月くらい勝てなかった時、メンタルがきつくても「諦めるのは簡単だから」と2軍での調整は選ばなかった、あの強さだね。

石川:2軍に行けと言われたらそれまでだけど、自分から「調子悪いです」「ちょっと肩が……」って言ったら、何かが崩れそうな気がしたから。自分の心というか、しんどい時に頑張れない気がしたんだよね。真中(満)さんが監督の2015年に2か月勝てなかったし、開幕からなかなか勝てなかったこともあったし。若い選手が勝てない時、「前を向いて元気に球場に来ようよ」とは言うけど、やっぱり難しいよ。

五十嵐:苦しいよね。自分を見失わず、どうにか持ちこたえる強さは元々持っていたの?

石川:根本は、子どもの時の「大きい人には負けたくない」という気持ちかな。体が小さくて、全然上手じゃなかったけど「負けたくない」という根性は持っていたと思う。諦めることが必要な時もあるけど、なんか苦手。常に「なんとかならないかな」と思ってる(笑)。

五十嵐:そのスタンスが観る人の心に響くんだよ。

石川:亮ちゃんは若い時、イケイケドンドンの投球だったけど、どうやってシフトチェンジしたの? こう見えてっていうのは失礼だけど(笑)、すごく考えて野球をやるから。

五十嵐:(笑)。やっぱり行き詰まる、結局は。

石川:真っ直ぐがいかなくなると無理っていうこと?

五十嵐:何試合かごまかせても、長くは続かないよ。自分の現在地と未来がなんとなく見えて、このままじゃダメだって気付く。その気付きが早いほど対応する力もあると思うんだよね。真っ暗で先が見えずに「もう無理だ」という時なかった?

石川:あるある。出口がない感じ。

五十嵐:球種もフォームも、一通りやり尽くしたっていう時があるよね。そんな時にうっすら光さえ見えれば、ここだっていう目的があれば、そこに向かって行けるけど、ない時はきつい。だから、光や目的を見つけて、これだったらやっていけるかもしれないと思った時に喜びや成長が見えてくる。

石川が見つけた五十嵐さんとの共通点「同じタイプだと思う」

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